転生特典ゼロ！？スキルも皆無！？理不尽な異世界になんか負けません！！〜史上最弱少女マスターのダンジョン経営戦記〜

１７８話 海くんは帰ってきた

　海くんとエレンティアはすぐに帰ってきて一安心な優姫だよ。

　ミュウニーちゃんの遺体もあるし、軍隊が攻めてくると海くんとエレンティアが帰るのが大変になると、急いで帰還しました。

　たぶん狙撃して混乱させて大魔法で消し飛ばして、普通に帰ってくると思うけどね。

　海くんとエレンティアはダンジョンの皆で、お出迎えします。レイナ女王陛下とかバンパの王とかは忙しいし、海くんのお出迎えに来てないよ。

「海くん、エレンティア、お帰りなさい。ミュウニーちゃんはお墓作るのと、火葬くらいで、外の軍勢を先ずは撃退するよ」

　海くんが魔法で氷漬けにしたミュウニーちゃんを改めて見ると傷だらけで、どれほどの拷問が、加えられたのか、そして女の子にとって望まない行為は心の殺人だ。

　絶対に許さないからね。

「思ったよりも元気そうだな」

「元気だけどさ私怒ってるからね。外の敵は降伏するまで叩きのめすから！！作戦を確認して欲しいかな。ミュウニーちゃんのお墓と火葬の用意はしてあるよ。勝ったらちゃんとした御葬式してあげるから、それまでは負けないません！」

「優姫が饒舌だな、無理はするなよ」

　海くんが頭を撫でてくれます。やっぱり海くんの撫で撫では落ち着くよ。

「これさ、作戦も何も軍隊じゃ無理。Ｓランクか賢者くらいの戦力ないと絶対に突破不可能だよね？」

　エレンティアは、作戦の計画書を見てそんな感想を言います。

「サイオンとネイも防衛ご苦労、キアリーは悪いが食事頼めるか？」

「僕の仕事なんて監視と防衛作戦を考えただけだよ」

「ほとんどは根回しばかりでー♪簡単なお仕事でしたー♪」

「かしこまりた。腕によりをかけてお作り致します。」

「キャハハハ、ミレーナを忘れてるぞ？」

　海くんの労いに皆嬉しそうにしてます。ミレーナはなんか放置されて嬉しそうだよ。

「奴隷は働いて当たり前だろ？ほら仕事しろ」

「なんですと！？ねぇねぇ、子作りはまだ何か？ご褒美もらってないぞ」

　海くんが私の胸を見る。

「あと１０年待て」

「海くん！！なんで私は胸が基準なの！！もうすぐ大きくなるからね！！」

「ずっと聞いてるが、今だに２次元だろ？」

「うがー！微乳はあるもん！２次元違うもん」

「違うよ、それは、品乳だよ」

「エロ賢者のエレンティアの拘りなんかしらない！！とにかく大きくなるの！！」

「キャハハハ、ミレーナも混ぜてくれよな」

「「「「「・・・・・・」」」」」

「辞めて、ミレーナでもマジで辛いんですけど、キャハハハ」

「とりあえず腹ごしらえだな」

　ミレーナの扱いには皆慣れたよ。会話しないのが一番だよね。海くんだけはミレーナと何故か波長が合うらしく会話が成立するけど、私達は微妙に成立しないからね。

「ミレーナも食べるぞ、夫婦の晩餐会だな、キャハハハ」

「早く豚小屋に帰れ。ミレーナには拷問で使った残りをやるから食えよ」

「わーい、カイ様の手料理だ！ミレーナ帰って食べるぞ」

　海くんに無駄に工程の多い保存食を受けって自力で転移して去っていくミレーナ、でも拷問用で密偵の覚悟をバキバキにするあれを喜ぶのはどうなんだろね？

「それじゃ転移してコアルームに行くよ」

　転移するとキアリーさんが素早くキッチンへ向う。

「ちょうど、夕食時でじゅんびしてあります。仕上げますのでお待ち下さい。」

　暫くして、キアリーさんがお料理を運んでくる。

　湯気が、立ち昇る豚の生姜焼きとキャベツの千切りに、彩り豊かな野菜の真ん中に鎮座するのはポテトサラダ、具沢山の玉子スープ、お刺身が少し小皿に添えられてる。そして白米。オマケでペペロンチーノもあるよ。

　海くんがお外で頑張ったからカロリーとタンパク質が多めそして、新鮮な野菜も忘れない気遣い。そしてちょっとだけあるジャンク感は、大変な仕事の後は絶対に美味しいよね。これはキアリーさんの愛情だね。

「おおー美味しそうだよ！」

「今日は豪華さと、実用性が兼ねられて贅沢ですね。お酒呑みたくなるよ」

　エレンティアが珍しくお酒を飲むのかな？やっぱり皆、明るくして励ましてくれてる気がするよ。いい仲間を私は持ってるね。

　前世も含めると上から２番目で、人生経験ならエレンティアよりも多いつもりなんだけどなぁ。お祖父ちゃんお婆ちゃんの、葬儀も経験したし、ご近所さんとか会社の先輩とか亡くなったことも当然ながらあるんだよね。

「敵が攻めて来るかもしれませんー♪追い払うかー♪反転攻勢するまでー♪お酒は我慢ですよー♪」

「酔いつぶれないくらいならいいよ。入り口は１箇所をに集めて中ボス部屋で、作戦通りに完全シャットアウトするからね。ミュウニーちゃん達の頑張って集めた情報から考えても余裕だしね」

「ユウキ様？少しは泣いたりしても誰も怒りませんよ？」

「ん？やっぱり気を使ってたの？そりゃ私はめっちゃ怒ってる。敵として興味を持ったから態度は、いつもと違っても平気だよ。泣くのはミュウニーちゃんの葬儀の時だよね？そうしないと頑張ったミュウニーちゃんがあの世で心配するでしょ？だからさ女は突貫あるのみよ！！」

「分かりました。少し不安ですがどこまでもお供します。」

「カイと僕の居場所を死守するからね」

「ユウキ様のその意志がある限りー♪みな報われますー♪」

「大人しくここに優姫は居る方が戦いやすいんだ。意味不明な突貫をするなよ」

「サイオンと、ネイは良いとして、キアリーさんと海くんは酷くない？あとエレンティアは食べるか魔法のことかんがえるかどっちかにしなよ」

「ゴメン、魔法の研究の邪魔者は大魔法で消し飛ばせばそれでいいよね？」

「知識も多いし、スキルを組み替えるエレンティアは反則だけどさ、残念で心配なのは大賢者じゃないかな？」

「ユウキ様のはリーダーですから無茶苦茶されると本当に困るのです。立場が違います。」

「うん、無茶苦茶はしないように気を付けます」

　楽しくて美味しい食事を皆で、いただきました。