179話 やれるものならやってみろ!!
ミュウニーちゃんの簡易のお墓に遺骨を納めた優姫だよ。
「敵が侵入してきたね。この中ボス部屋を軍隊でも突破させないよ」
ヘヴィアーマーキングタランクトは10メートルという巨体で、虫じゃなくても異様な大きさを誇ります。そして中ボス部屋はかなり大きく1キロ四方に天井は100メートルほどだよ。
正方形じゃなくて天然の洞窟風で、岩とか段差とかあるよ。隠れやすくて、タランクトには影響しないけど人間は足元が悪くて戦いにくいと思うよ。
「ここの後は市街戦だからな。事実上、国土を焼けば負けだな」
今日は海くんも、一緒に見てるよ。ラスボスが中ボス部屋に待機とかしないのです。そしてDPはダンジョンの生命線、中に住んでる人達が多いほどリソースが増えて強くなるよ。
逆に言えばリソース資源である人々を殺されると敗北に近くなるよ。復旧にもリソース使うし自分達の住むところと職場を荒らされては行けません。
「カイ様、ユウキ様、紅茶です。お砂糖とミルクは必要ならお入れします」
「ありがとう。ストーレートで良いよ」
「敵が来たな、そう簡単にあのヘヴィアーマータランクトが、簡単に突破されないだろうが軍勢相手はキツくないか?」
「あれヘヴィアーマーキングタランクトだよ。ほとんどの兵の攻撃力では全く効かないからただの餌だよ。作戦書だとこいつで十分だと思ってたけどさ、万が一にも突破されないようにボスは別に用意したんだよ」
「本当か?ヘヴィアーマータランクトで足止めしてイリュージョンタランクトで撹乱だろ?他にいないようだが?」
「それがね。ボスはステルスキングタランクトなんだよね。小さくて、擬態が上手くて完全に隠れてるよ。それでいて戦闘力も高いからね。ダンジョン機能で探して写しても見つけられない凄いやつだよ」
ステルスキングタランクトが隠れるためにも中ボス部屋は大きいのです。ヘヴィアーマーキングタランクトが敵の気を引きつけてより見つかりにくくする。
幻惑気体毒のイリュージョンタランクトを使うので沢山敵が居たほうが幻覚で混乱してくれて自滅を狙えるのも理由だけどね。
「そんなのまでいたのか?それなら本当にシャットアウトだろうな」
ボスが健在の扉を抜けるには、凶悪レールガンとか大魔法を連打とかでぶっ壊して再生るす前に抜けるしかないからね。そんなことが出来るならこの中ボス部屋も突破されそうだけど、Sランクの冒険者もいないし、各国の最強戦力も投入されてないからそんな心配もないよ。
敵の先陣がやって来る。数は500人ほどで本当に様子見だね。数万以上投入出来るはずだから。
対するヘヴィアーマーキングタランクトは重い身体なのもあり動かない。何匹も配置しているイリュージョンタランクトは毒が効果を発揮するまで天井や壁に隠れてる。
敵軍は通路を抜けるための縦列陣形から、集団戦闘用の横列陣形に組み替えると、ジリジリと近づいて、先制攻撃の投石と矢を放つけど、ヘヴィアーマーキングタランクトは微動だにしない。
「あの陣形だと銃火器の的だな。特に連射武器で潰滅できそうだな」
「確かに横に並んで突撃してきても、ガトリング砲とか撃ち込んだらたどり着く前に全滅しそうだね」
「隠れて、分散しないと一毛打尽にされるからな」
「それだけ武器が違えば作戦も陣形も変わるのだね」
塹壕も上空からの爆撃や戦車に弱いから見つからないことが一番の防御で、現代地球の戦争の基本は殺られる前に殺るらしいよ。攻撃力が強すぎて、地下基地とか地下シェルターくらいじゃないと安心出来ないらしいからね。
地下深くにあるダンジョンは現代の地球の武器に対しても鉄壁守りなのだよ。
並の戦車より強固な外骨格に投石と矢に効果がないからか、弱らせと思ったのか、敵は全軍突撃をする。ヘヴィアーマーキングタランクトは足元に来た人間をサクッと足で突き刺してそもまま一口に食べる。
「アホだろ?効いてないのに近づくと食われるくらい、分かりそうなものだがな」
「全く効いてないと思わなかったのかな?」
暫くして、剣も槍も効かないと理解したのか一度後退すると火をかける作戦らしい。
「お!幻覚が効き始めたね」
それまではある程度整っていた陣形が崩れ始める。個人が言ってることもバラバラで軍隊としての統制を失って行く。
そして何人かは武器を振り回して味方に攻撃してしまう。こうなると混乱が最高潮に達するところに、のそのそ歩いてきたヘヴィアーマーキングタランクトに喰われても組織だった反撃は出来ない。
「洞窟内で火を使えば酸欠で自滅するのにそんなことも知らないのか?経験則で密閉空間では死ぬくらいわかるだろ?」
「退避する何も後ろからまだ敵兵が来てるし、確かに燃やしても自滅するだけかもね」
「それより映像越しだから見つけにくいのは分かるが本当に、ステルスキングタランクトいるか?」
蜘蛛なのにタコみたいに身体の色も変えるし、身体の質感まで似せるし、まるで表面にコーティングしてるみたいに継ぎ目まで無くなるからね。
「ここだよ。ダンジョン機能で見つける限りはね」
「ただの岩肌だな」
「バレないくらいで動いて!」
50メートルほどの高さにある、40センチほどの範囲の壁が少し震えます。
「マジか、これは見つけれないだろ?」
「人の手が届かない高さの壁にしか見えないね」
「これはシャットアウトだな。敵も戦線維持できないで撤退したしな」
「海くんが言うとかっこいいけど、ただの逃亡だと思うよ」
こうして初戦は圧勝したのです。
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