201話 いつかのバトル再び? 4
舐めプに見えて本気で遊んでる海くんは、えげつないと思う優姫だよ。
深淵の光のメンバーはそれぞれ突進しており、他にも四人いる。その四人中で鈍重そうな、巨大ハンマー使いは水球を力技で弾き飛ばそうとしているよ。
水球に巨大ハンマーがフルスイングでブォーンと振りきられる。水球にクリーンヒットするけど、吹き飛びはしないで、すぐに元に戻る。
『むぅ、そう簡単には退いてくれぬか』
再び力任せに巨大ハンマーを振るけど、今度は氷と氷の間に水を挟んだ、何十枚もの壁になり巨大ハンマーと激突する。
海くんの作ったのは、水と氷の複合装甲と呼べるもので、何枚か氷は割られるも衝撃をうまく逃して、振り切らせないで止めてしまう。
『なんだと!?しかしパワーではな、負けられん!!』
魔法相手にパワーとか違う気もするけど、きっと脳筋タイプなんだろう。
『だりゃーーー!!』
今度は重力も味方にするべく真上から、巨大ハンマーをフルパワーで打ち下ろす。
相対する海くんの水球は、深淵の光のハンマー使いに向かって右斜な傾斜のついた氷と水の複合装甲をつくる。
ハンマーは表面を滑るのと、斜めであるため、垂直に叩くより見た目というか、実際に分厚い事と同義な氷となり、割ることが出来ない。ハンマーは滑らさせられて地面を強打してしまう。
今度は氷と水の複合装甲だけでなく、傾斜装甲も利用して完全に防御してしまう。滑り具合から表面は特性のツルツル氷かもしれない。
『さらに防御力を高められるのか!!しかしこれならどうだ!?』
巨大ハンマーを水平にぐるりと回転させ遠心力をのせると、海くんの操る水球に叩き潰すべく振り下ろされる。
しかし水球は受け止めるどころか、避けて逆にハンマー助けるように押すと、地面に巨大ハンマーの半分くらいがめり込んでしまう。
間髪入れずに水球はハンマーと地面にの隙間に入り込み凍りつくと完全に、大地と接着されてしまう。
『ぬぉぉぉオオォォォ!!』
深淵の光のハンマー使いは頑張るけど、最強鈍器大地は重くて持ち上がらない。
『負けんまだ負けんぞーー!!うりゃーーー!!』
やっぱり大地と海くんの氷は強くてびくともしない。そして海くんは余裕で、立ってる。
『俺の負けだ。パワーで負けたのだ仕方ない』
深淵の光のハンマー使いはサッパリとあきらめたのだった。
また近くでも、深淵の光のメンバーは海くんの水球と激闘を繰り広げていた。
同じパワーファイターだけど、大剣と全身鎧で身を固めたタンクよりの戦闘スタイルだ。
大剣使いに水球は、上から下に向けてウォーターカッターを繰り出している。
凄まじい勢いで細く射出された水は、氷の粒を含んでおり水で斬るのではなく、氷の粒で削り飛ばしているのが正しい。こうなると硬質な鎧も大剣も容易に、切断可能となる。
『うぉ!?危ねえ!!』
初撃は感で狙われた大剣を回避させる。海くんは殺さないために武器に狙いを定めて大剣破壊を狙ったみたい。
次々にウォーターカッターが襲撃して全身鎧と大剣の破壊を試みる。Aランクの冒険者だけあって、見た目よりもすばしっこく回避をギリギリだけど成功させる。
『これ殺さないために、狙いが外れてるからなんとかなってるが・・・』
本気で海くんが殺すために、水平に複数本で薙ぎ払えば深淵の光もファーレンもヴィシリアも切り刻まれてもおかしくない威力だし、その方が制御も楽だと思うよ。
ウォーターカッターは進路を確実に塞ぎつつ、大剣の破壊を隙あらば狙いまくる。
『真面目に相手されてるだけマシか』
動ける大剣タンクの、視線の先には転げ回り煽りまくられてキレてるファーレン達の姿がある。
命懸けでこそないが、ファーレンのようにプライドをへし折られると冒険者を続けられないかもね。それなら正面から力と技で負かしてくれたほうがありがたい方だと思うよ。
でも海くんはそんなふうに意識が外れたというか、あそこまで遊ばれたらみんなの意識が集まるよね?その結界うまれた隙を、見逃すほど甘くはない。
『しまった!やられた』
気がついたときには時遅し、大剣は鍔から3センチを残して切り落とされる。オマケで刀身が1センチ角のサイコロ状にウォーターカッターでバラバラに切断する。
『そこまでしなくても、大剣が斬られたら諦めるさ・・・どんなに頑張ってもくっつくわけないからな』
海くんの同時把握能力の高さと、マルチタスクなのに素晴らしく高い、制御力を披露したのだと思うよ。
『だからな、そこまで刻まないでもいいだろ?これじゃ、スクラップとしてしか売れないだろ・・・ミスリル大剣は高かったんだぞ(´Д⊂グスン』
刀身が無事なら修理は無理でも、打ち直しとかをして剣にしたりは出来たのだと思うよ。それすら許さない感じでバラバラになってる。
『まぁ命があるだけラッキーと思うべきか』
起き上がる事を諦めてチビッたのかは秘密のファーレンや、変な空中姿勢で固定された斥候や、巨大ハンマーが大地と接着されて諦めてる様子を、確認して戦意を完全に喪失したのであった。
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