188話 海くんだけに任せません
街の破壊は、海くんとエレンティアがやって来れてるから目の前の軍を、やっつける優姫だよ。
「これで編成完了!!ゴブリンで反転攻勢だね」
「SランクのゴブリンヒーローをリーダーにAランクのゴブリンエンペラー、ゴブリンエンプレス、Bランクのゴブリンキング、ゴブリンクイーンでそして大量のゴブリンジェネラルで編成された軍団はやりすぎでは?」
「キアリーさん、海くんとエレンティアが遠くの街を攻撃してくれてるから、私は目の前の敵だけなんだよ。負けられないからさいざとなれば、銃を使えそうなゴブリンで選んだよ」
「ゴブリンはジェネラルより上位進化した個体は自己より下位のみですが、1匹は僅かずつとはいえ強化しますし、重ねがけします。しかも元々の能力が、高いジェネラル以上です。その上にゴブリンの自作とはいえ、盾に槍、そして弓を標準装備してます。これは虐殺にしかならないと思います。何故かミレーナも混ざってますし。」
「どうなるかはやってみよー!!ゴブリン軍団突撃開始!!」
敵は本気で、ヘヴィアーマーキングタランクトを突破するつもりらしく強そうな5人の突出してるパーティーと、後方の兵力約1万だよ。
『チッ、今回はゴブリンの護衛つきか、ゴブリンから片付けるぞ』
敵の突出してる高ランクパーティーはゴブリンを、狙うみたいだけど、彼らの相手はミレーナなんだよね。仕事くれって言うから今回は出撃させたよ。
『キャハハハ、よそ見してるしてる雑魚はミレーナが殺しちゃうぞ』
先ずはミレーナが5人の突出してるパーティに襲いかかる。距離も位置も関係なく届くナイフと、遠距離攻撃を無効化する空間歪曲魔法の前に、ろくな反撃も出来ないけど敵は戦闘の経験と殺気だけを頼りに避けてるみたい。
『クソっ歪曲魔族、それも最狂ミレーナが生きてるなんて聞いてないぞ!魔王殺しが本当なら上位の魔王級じゃないか』
『キャハハハやっぱり弱いなぁ。ほら、遅い!!そんな目に見える速度の攻撃は効かないぞキャハハハ』
敵のパーティーの一人がミレーナのナイフで首を掻き切られる。あれは致命傷かな?キアリーさんに解説してもらうまでもなく、ミレーナは本気出してないね。まぁ海くんの銃や速射砲の攻撃速度と弾速に比べたら、彼らの攻撃なんて遅いだろうけどさ。
『いくらなんでも強すぎだろ!?こっちはSランクパーティー、全員最低でもAランク、俺なんて個人でSランクなんだぞ!!』
「なるほど、ヘヴィアーマーキングタランクト相手にSランクパーティを引っ張り出してきてましたか。」
「ヘヴィアーマーキングタランクトはSランクだったけ?数で攻撃してもノーダメージだったし、当然なんだろうけど、タイミング悪い奴らだね。倒されてもボス部屋の扉は開かないから無駄な努力だけどさ」
「たしかに居場所を知ってても見つけれない全力で隠れてるボス討伐が条件という鬼畜仕様を、敵が突破出来るとは私も思いません。」
『キャハハハ、ほらほらもっと上手く避けないと刻んじゃうぞ』
『クソッタレ!!完全に遊ばれてるのかよ』
Sランクというだけあって、いつもの冒険者や兵士よりもスピードも攻撃力も鋭いし、魔法の範囲も広そう。ただ、ミレーナの空間歪曲の前には、当たらない。
当たらなければどうということはない。海くんと、同じく回避に全振りだけど、回避モーションもないミレーナの方が攻撃的かな。
手数で猛攻するミレーナと、急所に正確無慈悲な一撃を確実に撃ち込む海くんの戦闘スタイルは別物だけどさ。海くんって、あの無双してるミレーナ相手によく勝てたよね。
『えー、お前らは遊べるほど強くないぞ、キャハハハ、ほらほら的は的らしく逃げるために動き回れよな、キャハハハ』
『これならどうだ!ファイアバースト!!』
敵の魔法使いが面攻撃で爆発する魔法攻撃を撃ち込む。榴弾砲でも死なないミレーナに効くとは思えないよね。
『キャハハハ、威力も速度も足りないぞ!もしかして煙幕か?キャハハハなら煙が足りないぞ、キャハハハ』
当然ながら全く効果なし。そもそも空間歪曲により当たり判定が無いとか無敵チートよりもバグだよ。
「改めてミレーナの戦闘を見ると理不尽な強さだよね」
「理不尽なというか、完全に子供扱い以下ですね。あそこまで実力差があるとミレーナに油断とか、慢心とかあってもひっくり返すのは難しいでしょう。Sランクの冒険者とはいえ、仲間を殺されて冷静さを失ってますし、勝機はなさそうですね。」
海くんの戦闘は、本人に聞くと、計算され尽くした予測というかシミュレーションによる完全な予知みたい。それに対して、ミレーナは全部、勘のみで頭空っぽその時の衝動に任せて戦うらしい。
知能の海くんと、本能のミレーナ、なのに行き着く先は最適な戦闘行動を選択するに収束する。思考過程がこれほど違うのに、二人はなぜか気が合うし、実力差が思ったよりも少ないのだから不思議なものだよね。
『キャハハハ、つまんないー。死ねよ』
ミレーナの意味不明なハイテンションな狂気の表情から一転し、残忍な表情になり放たれる一言。その宣言通りに冒険者パーティーの残りの4人はミレーナによって微塵切りにされて絶命した。
「キャハハハ、もっと強くなって出直して来なよっと、えーと、あっちはもっとつまんなそうだぜ。キャハハハ」
それでもミレーナは次のターゲットを、見つけて襲いかかるのであった。
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