045話 それはさすがに同情する

 こんにちは優姫です。

 

 

 ダンジョンよ一階で建設が始まりDPの稼ぎも増え始めて喜んでます。でもヴィシリアはなんかボコられて出てきました。

 

 素早く中ボスのゴブリンを手前の部屋に派遣して、正立方体の扉をボス部屋の仕様を利用して封印し隔離しました。

 

 手間の部屋がボス部屋で奥の正立方体からは侵入扱いの黒光りカサカサ悪魔をこちらから送り込んで奥からは開かなくしました。

 

 問題のヴィシリアは出て来て直ぐに気絶したので海くんがサルベージしました。

 

「回復薬を使って貰えるとかヴィシリアってラッキーですー♪」

 

「同感ですが回復魔法を誰も使えませんから仕方ないです」

 

 ネイさんもキアリーさんも酷い。一番安い回復薬しか使わないけどね。

 

「ヴィシリアに中のことを聞きましょう。パパは調査お願いね」

 

「ヴィシリアを起こすか」

 

 海くんがヴィシリアの背中を肩に手を置いて、足でゴッキって音をならして意識を戻させます。軍人さんもそんな救命救急しないよね?海くんときどき無茶苦茶してない?

 

「ウグッグハ!!酷い目にあったのじゃ」

 

 それは調査中ボコられたこと?それとも海くんの起こし方?

 

「回復薬使ったしもう大丈夫だろ?中の様子はどうだった?」

 

 海くんの聞き取りが始まります。無駄な行動をしない海くん頼れるね。

 

「中に吸血種の女がいて負けたのじゃ」

 

「戦闘スタイルは?」

 

「ストーンアローじゃ。後は魔法が効かなかったのじゃ。それ以上はわからんのじゃ」

 

「それだけ?魔法の効かない理由は?装備とかスピードは?」

 

「不潔キモい死ねと言われたのじゃ。クロスボウも使っておったのじゃ」

 

「質問に答えろよ。魔法がなぜ効かない?ストーンアローってなに?」

 

「効かない理由なぞ知らんのじゃ、高級そうな服着てただけじゃ」

 

「連射力は?威力は?」

 

「強かったのじゃ」

 

「威力偵察も出来ないのか。もう一度行ってこい」

 

「ワシまた死にかけないといけないとか酷いのじゃ。ワシは魔術師じゃぞ魔法が効かない相手にソロでは勝ち目無いのじゃ」

 

「報酬もらっておいて仕事が達成出来ないのですか?前払いは私達の好意ですが、危険な仕事なので報酬は先にお支払したのですよ」

 

 ネイさんの交渉はレベル高い・・・のか?なんかもう一度ただで行けって脅してるよね?あとヴィシリアの前ではバカっぽさは封印なのね。

 

「そうなのじゃが、勝てないし結果は変わらないのじゃ」

 

「仕方ないですね。私が付与魔法と障壁魔法で補助しましょう。後衛からならより情報も得られるでしょう。」

 

 キアリーさんは冒険者だし安心かな?

 

「ワシも魔法使いの後衛なのじゃ」

 

「キアリーが危ない橋を渡らないで下さい」

 

 ネイさんは食事が大切だよね。

 

「情報収集が無理なら俺が行く」

 

「パパカッコいい!!」

 

「カイ様はやはり男として素晴らしい方です」

 

「仕事が出来る人は違いますね」

 

 ネイさんまで海くんを持ち上げてるとヴィシリアのやる気が下がるのでは?行かなくてもいいけどさ。

 

「ワシの評価下がってどんどん嫌われとる気がするのじゃ」

 

「仕方ない諦めも大事だぞ」

 

 海くんに同情されるヴィシリアは女性陣からの扱いは酷いのかな?私は優しいほうかな?案外、海くんが一番ヴィシリアに気を使ってる??まさかそんなはずはないよね?

 

「ワシとてBランクの冒険者じゃ。このままでは終われん。撃破するのじゃ」

 

「本当にBランクですか?絶対Bランクの冒険者達に勝てないと思います」

 

 ネイさん鋭くえぐって行くなー。

 

「ヴィシリアが情報収集と撃破するって言ってるから任せようよ」

 

 ちゃんと信用してるってフォローしたよ。ヴィシリア頑張れ。

 

「いや、ちゃんとBランクじゃよ。何か失敗出来ないプレッシャーなのじゃ」

 

「てっぺんハゲで不潔ですが魔法の行使に問題ないので防御を上げれば肉壁で情報収集くらいは出来るでしょう。」

 

 キアリーさんダイレクトに肉壁言うてる。

 

「撃破して、ワシ信頼を得て汚名返上するのじゃ」

 

「まぁ、頑張れ生きて帰って来いよ。俺が手の込んだ食事を作ってやるから」

 

「カイの料理はゾンビも蘇生する不味さじゃ、それなら死んでくるのじゃ」

 

「死んだら食わせて、火葬してやるから安心していいぞ」

 

「ノォーーーーーーーーーーーーーー!!最後の晩餐があれとか嫌すぎるのじゃ。意地でもキアリーちゃんと生きて帰るのじゃ」

 

「頑張って下さい。肉壁さん。」

 

 キアリーさん酷い。名前くらい呼んであげてよ。

 

「肉壁をしっかりこなしてみせるのじゃ」

 

 ヴィシリアは肉壁でいいのか(笑)不味さでは最強のテロい海くんの料理を死んでも生きても食べるヴィシリアには同情するよ。毎日私は食べて大きくなったんだ、死にはしないから大丈夫だって。味覚は毎回死ぬって訴えるけどね。

 

 海くんは絶対ヴィシリアを上げて落として遊んでるし玩具としては気に入ってるのかな?

 

 海くんの中の位置付けは酷いことしていいしある程度は頑丈で最悪死んでもいい人ってところかな?それとも最近自分の料理が不味いことに気が付いて単に遊びに使ってるだけ?なんにしてもヴィシリアにちょっと同情するかな。

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