056話 ダンジョンマスターは最強

 おはよう、海くんを寝盗られた気がする優姫です。



 海くんの個室からキアリーとサイオンとネイと海くんが出て来ます。


「海くんおはよー私スッゴいの見つけたよ」


「優姫が見つけたスッゴいのってまた使えないコンボにならないトラップか?」


 確かにトラップを組み合わせて重ねても上手く発動しなかったですけどね。そんなのじゃないよ!!


「違うよ、DPで不老になれるんだよ!不老不死に隠れてて分かりにくくなってるけどすごくない?しかもアホみたいに高くないの!!」


「不老不死は四億DPだろ?少しくらい安くなっても無理だろ?」


「そう思うでしょ。私が頑張って抜け道を見つけたんだよ。パパ誉めて誉めて!」


 海くんが私を抱っこして頭なでなでしてくれます。


 ちょっと子供扱いに不満ですが海くんはイケメンで今はテンションも高いので許します。なんか女性陣が艶々してるけど気にならないよ。


「不老不死って払えなくても設定出来て、設定すると、細かい設定か出て来てね。不老不死の内容を減らすと必要DPがどんどん減って一万DPで不老になれるんだよ」


 メニューはこんな感じです。


 不老不死 セット


 魂の保存 魂の自動再生化 記憶の保存 記憶の自動保存化 記憶の自動再生化 肉体の情報保存 肉体の自動再生化 感染症無効化 肉体の体型固定 肉体の老化停止 肉体の健康維持 恐怖無効 退屈無効 痛覚無効 空腹感無効 ・・・


 これらの項目全部をセットしておくと四億DPほどかかるのですが、老化停止だけなら1万DPで出来るんです。魂関連が高くて肉体関連はまだお安いのです。


 ダンジョン維持費に追加なので1ヶ月に1度回収されます。そして収入と支出ですが、工夫により少し便利になってるよ。


 先ず水は地上の川からダンジョン内に引き込むことで、水道代はゼロです。水は高いので効果絶大です。元々は海くんが汲みに行ってたからゼロだけど、労力無くしてゼロです。


 仕組みはネイが考えてくれて川底の土を浸透層に入れ替えて染み込ませる事で水が地下に来るようにしました。


 1日コアルームの光熱費は広がってて、料理にも使うし約1000DP、ダンジョン内の照明費は2000DPで日々3000DP減ります。


 月に1度、罠のや壁などの維持費がかかります。壊れて修理するならDPは別にかかりますけどね。これは罠が無いし300DPほどです。


 収入は地脈収入?がダンジョン大きくなって1日600DP、侵入者からの収入が3000DPなのです。どうも個人の強さとDP収入はたぶん連動してないんですよね。ヴィシリアが案外高いのですが、次に高いのが建築作業員とか配達員なんだよね。サイオンなぜか3DPなんだよ。なんでだろ?


1日あたり、600DPの黒字で月18000DPの黒字、今でこれなら絶対1階は人増えるので余裕なのです。


「1万DPって4千万分の1になってるな、減りすぎだろ?」


「怪我はするし死んだら死ぬし、病気もするけど、肉体の老化はしないだけ、年齢の停止だね」


「凄過ぎるじゃないですかー♪私ずっと26歳でいられるのでしょー♪」


 ネイさんが急に話に入って来ます。むぅ!海くん渡さないからね。


「食べ過ぎは太るし運動不足なら筋肉落ちるけど年はとらないね」


「ユウキ様、私にセットしてくだい」


 ネイさんが敬語になって私を様付けしてるけど、契約の通りにしますよ。


「ネイさんの担当フロアの維持費にします。ネイさんが欲しいものを払える範囲で設定したらいいじゃないですか」


「私はどうしましょうか?」


 今度はキアリーさんの質問です。キアリーさんも欲しいの?そりゃ女性ならみんな望むよね。


「キアリーさんは報酬分と付与アイテムの買い取り分で支払えばいいよ」


「承知しました。ありがとうございます。老化停止の支払いはいたしますのでセットをお願いいたします。」


「僕は稼ぎが少ないからどうしたらいいのかな?」


「コアルームの防衛が仕事だから敵の情報得られたりとか撃退出来たらボーナスどう?完了の後での支払いにするけどいいかな?」


「僕の仕事が上手くいったらボーナスだね。弱い奴は吸血して弱らせて帰って貰えばボーナスもゲットってユウキ太っ腹だね。ありがとう」


 サイオンさんそう言えば吸血鬼だったね。私まだ純粋な人間って見たことないな。この世界には海くんだけ?


「海くんのおかげでダンジョンが安全安心だからさ。海くんには私からのお礼でセットだよ。最初赤字も補填してもらったし、いつも食材も調達して貰ったし、まだまだ足りないくらいだよ」


「優姫ありがとな。優姫は面白いし最高だな」


「えへへ、海くんが一番だよ。そうそうダンジョンマスター権限でいつでも全部のオンオフは強制的に変えられるからね」


 三人にジト目を送ります。負けないもんね!!


「何があっても、ユウキ様の味方ですー♪」


 焦りも感じさせないとはサイコパスぽいなー。けど、全力でごきげんようとりしてるから私を敵に回したくないのは確定だね。


 ネイさんが私を様付けということは格上げされたね。やったぜ。


「ユウキ様が私の主です。裏切るようなことはしません。」


 キアリーさん目が泳いでるよ。海くんを奪うつもりでしょ。


「僕はユウキがカイの正妻だと思ってるよ。ユウキもカイのこと好きでしょ?僕もカイが好きだけど、ユウキがカイの一番でいいと思ってるよ」


 全員がサイオンさんにエッて感じに視線を向けます。あなたが一番独占欲強そうなタイプですよね?ヤンデレどうした?


「だってこのままだとユウキに全部とられそうだったから、僕の居場所としてカイの側にいられるようにしたかったんだよ。カイは救世主だからさハーレムになるべきだし、皆仲良くなって幸せかなって。カイもそれが楽しいって言ったし」


 サイオンさんの愛が違う意味で重い気がする。捨てられたら絶対に、闇落ち、ストーカーヤンデレくらいはなりそう。


 彼女のルールは海くんが全てだよね?一番ヤバイのはやっぱりサイオンさんなのでは?


「私が一番ならいいかな」


 でも5歳だから煽てられて満足したわけじゃないからね。


「優姫はかわいいし、面白いから好きだぞ」


 そのかわいいが子供なのか女性なのか、たぶん子供というか赤ちゃん扱いだろうけど、やっぱり嬉しいよ。


「えへへ、海くんもカッコいいよ♪ってなんでツンツンするの!」


 またしても頬っぺたツンツン攻撃をしてくる海くん。


 絶妙に痛くないししゃべるのに邪魔じゃないあたり、余計にイラッとしますよ。技術の無駄に洗練させて無駄遣いしないでよ!!


「優姫ってついついやりたくなるかわいさがあるからさ」


「うがー!ギャハハハくすぐらないで!ツンツンもなぜ同時ギャハハハ」


「食事の準備します。」


 キアリーさんが助けずにさって行きます。美味しい朝食頼んだよ。


「かぷっ!うにゃ」


 ほっぺたツンツンを噛みついて反撃しようとするも鼻を突つかれる。


「僕も混ぜてよー」


 サイオンはどっちで混ざるのさ?やっぱりいじられる側だよね?


「優姫を今は全力で可愛がってるんだが?」


「かぷっ!ギャハハハ」


 今度も噛みき失敗して喉くすぐられる。それあかん脇腹よりくすぐったい!死ぬ!酸素!!酸素が肺から出てる!!酸素帰ってこい!!


「羨ましいですー♪優姫様が一番ですねー♪」


「むぅ、仕方ないなぁ」


「ギャハハハ、イヒヒヒ、ヒーヒー、アハハ」


 苦しいって優しい目で見守るな助けてー!


 こうしてキアリーさんが遅めの朝食を完成させる頃には、私は海くんのオモチャのようにまたしても遊ばれて力尽きてたのでした。


 キアリーさんあなた絶対にわざと朝食遅らせたよね?すっごく美味しかったけど。

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