097話 意外な解決法?

 なんか私ってお邪魔?とちょっと落ち込んでる優姫です。



 海くんはエレンティアの回復魔法とサイオンのポーションで治療されてサイオンに背負われて帰って来て、今はコアルームの個室にて、軟禁に近い看病を受けています。


 そして私は海くんの看病ですることも出来ることもないのです。


 キアリーさん達の対応が出来すぎて完璧な看護でおまけに桃色空間なので、私が入ると邪魔しかしないやつです。そのくらいは空気を読みます。


 なのでゲーヘルの武器を解析することにしましょう。


 現物は海くんに見てもらうので、コピーとかダンジョンで使えるのかとかの検証だけです。


 まずは海くんを追い込んだあの兵器です。DPが高すぎて手が出せなくはないけど、作るのに貯めたDPの半分は使いますね。


 悩んでいるとネイがやって来ます。


「ユウキ様今ちょっと時間大丈夫ですか?ー♪」


「私は暇だから大丈夫だよ」


「トンネルに反対してるエルフなのですがエレンティアが帰ってくるまでは交渉しないと言ってるので、エレンティアに1度村に戻ってもらっても良いですか?」


「あーなんだっけ・・・トンネルやめてオーク狩りか変わりの領地寄越せって言ってるんだよね?」


「そうですー♪とっとと諦めろですねー♪」


「ふーむ、ねぇねぇ領地はどこでも良いのかな?」


「おや?ー♪ユウキ様がエルフにそこまで興味を持ってたとは驚きですー♪エルフが圧倒的多数な事と安定した領民の暮らしと貴族としての地位の保証が出来る土地を要求してますねー♪」


「一応母親と父親に弟妹達も含まれてるからさ。ちょっとは考えたんだよね。私に利益があるなら助けてあげようかなって」


「それではトンネル諦めるのですか?ー♪」


「トンネルは作るよ。拠点の村の発展は私の利益だしね。でもさ、エルフ用にトンネルと拠点の村にしか行けない場所にエルフ領地作れば私に利益あるし、上手く行かないかな?」


「なるほど!ー♪つまりダンジョンにはー♪今まで通り拠点村からしか入れないー♪だからシバル王家の利益は減らないー♪エルフ領地はトンネルから分岐して土地を確保すればDP収入になるし、エルフ達は新たな領地が得られるー♪という事ですねー♪」


「そうそう、何か問題あるかな?」


「エルフ達の交渉は私がなんとでもしましょうー♪残るはシバル王家の説得ですねー♪拠点村にエルフ達がアクセスしやすいと拠点村の襲撃とかトンネルの封鎖とかー♪気を使うので嫌がりそうですねー♪」


「それって私にも不利益だから私が、シバル王家の味方するよ。後は拠点村にエルフ領地との間とトンネル側に門も設置しようかな?定時で開閉して閉鎖の権限を私達持ちなら安心する?」


「シバル王国はそれで良いでしょうー♪今度はエルフ達が納得しないかもですねー♪深夜でも閉じ込められるのは嫌がりそうですねー♪まぁ理由は黙ってて魔物から守るために夜間は閉まる門をユウキ様が作ってくれたとでもエルフには言いましょうー♪それよりはエルフ達は1万人くらいはいますよー♪その人数が住めるスペース作れますかー♪」


 ダンジョンメニューからちょっと必用DPを調べます。


「むぅ溜め込んだDPとゲーヘルの一撃のDPを全部注ぎ込めばなんとかなるかな?ちょっと最初は狭いけど住んでくれたら元はとれるしもっと広げられるよ」


「そんなにDP溜め込んでるですかー♪収入300倍なら安い投資ですねー♪」


「人数も300倍・・・ぜんぜん広さ足りないね」


「どうします?ー♪」


「人数に合わせて広げるってごまかそうかな?やばくなったらエレンティアと海くんに魔力を注いでもらえば大丈夫だよ」


「そんな方法もあるんですねー♪」


「場所は良いとして他に何かあるかな?」


「そあですねー♪レイナの方がこういう準備は得意なんで抜けがあるかもですがー♪私が思い付くのは食糧と収入の確保ですー♪」


「今はどうしてるの?」


「ほとんどはオークが少ないエリアで無理やり暮らしてますよー♪主産業はブルーベリーですねー♪村の中に植えて乾燥させるかジャムにして売って税と生活費にしてますー♪」


「えっ?ブルーベリー!?狩猟は?エルフの村で私肉しか食べてないしブルーベリーなんて見たこともないよ???エルフって謎すぎるね」


「そんなエルフの方が不思議ですよー♪エルフ達は偏食もありませんー♪普通に街も築き普通に生活しますー♪シバル王国では昔の戦争でエルフが負けて森に押し込められてますー♪」


「へぇー、エルフて苦難の歴史なんだね」


「エルフは地位向上とあわよくば力をつけて独立を狙ってますー♪」


「そんな面倒事に巻き込まれたくないから会いたくなかったんだよね。でもかわいそうだから住む土地と最初のブルーベリーの木だけは提供するから収入とか、住宅とかは勝手にしてもらうかな」


「なるほどー♪ユウキ様の機嫌を伺いたいのに会えないエルフ達はシバル王家に仲介して貰わないと要望も陳情も献上もユウキ様に出来ないのですねー♪つまりはシバル王家に逆らえないのは変わらないー♪では残りの雑事はお任せ下さいー♪」


「政治はネイに任せるよ」


「ではエレンティアと一仕事してきますー♪」


「いってらっしゃい」


 ネイを見送りながら、エルフに更なる苦難の歴史を追加したような気がするけど、オークに襲われるか怯える生活よりは、きっとマシな生活が出来るから間違ってないよね?

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