026話 フラグ乱立
こんばんわ、新人ダンジョンマスターの優姫です。
ダンジョンの周りに獣人と可愛い女の子がやって来ました。エルフっ娘が獣人にモテモテでイライラ・・・してるけどそうじゃなくて巨乳がでもなくて、ラスボス部屋しかないダンジョンだと防衛がマジで不安です。
エルフっ娘の奴モテモテが分かってて行動するぶりっ子なのでマジムカツクデスヨ。なら侵入者として殺してもって・・・私にはイケメン海くんがいるので許さないとね。
今のところは食材を獲りに行けないのが一番の問題ですね。DPで食材を手に入れて解決しても海くんの命?が削れたら困るし難しい問題です。
なんか獲物から命奪わないと減るみたいなこと言ってたからね。海くんの様子から即日問題になったりはしないみたいだけどね。
ビービービー、侵入者が奥に来たのでダンジョンの警報音コアルームに鳴り響く。
「これって敵なのか?」
ダンジョンの警報システムが反応しているので海くんが確認してくれる。
「侵入者だね。ラスボスに海くんがいる限りはコアルームの扉を突破されないけど、それ以外は鍵とかトラップないから止められないね。ダンジョン攻略で来てるなら敵だよ」
「あれを殺してしまってもかまわんのだろう?」
「!?変なフラグを立てないでよ!?海くんが居なくなったら嫌だからね!!」
海くんはファンタジー知識もオタク知識無いのになぜそんな死亡フラグをこのタイミングで建てるのよ。
「心配するなよ。すぐに帰って来るさ」
「海くんマジで死ぬの?」
「終わったら祝賀会しような。いつもの食事だけどな」
「うん、楽しみにしてるね・・・海くんわざと?」
「事実だが?さてとボス部屋でお迎えしないとな」
「最後は倒される中ボス的セリフって、海くんホントにフラグ建てすぎだって、帰ってこないと処刑だからね!!」
「それ処刑の前に死んでる。まっ余裕だから少し待ってな」
海くんはひらひらと手を振ってラスボス部屋に待機するためにコアルームとの扉をくぐって行きました。
これは私のところまで侵入去れて酷い目に会うパターンなのか?薄い本の方か、グロい方か、ドキュメンタリーな方か、どれでもいざとなれば女は突貫あるのみだけどね。獣人とエルフの仲が悪い事は無さそうだからダンジョンマスターのイメージ次第かな?
耐えられそうなのは、痛いのは無理、エロいのは、前世も含めて初体験が無理やりかやだね。街で社会の最底辺なら・・・んー、ん?ん?今より人付き合い増える?あれ?街で野宿と洞窟暮らし、大差なくない?イケメンは街にもそりゃいるか。食べ物無いかもと死ねるほど不味い料理・・・案外なんとかなるな。
私はとにかく海くんの守るラスボス部屋を心配しながら見ることしか出来ないけどね。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
暫くして前日にやって来た冒険者は6人で海くんが待ってるラスボス部屋の前にやって来る。
我がダンジョンはまだ1ヶ月も経っていないし防衛も何もない海くんとラスボス部屋だけの状態でほぼ家と同じ状態だよ。
ボス部屋は脱出は本来は来なくて、管理権限で無理やり脱出可にして侵入者が逃げて出られる様にしたよ。中に侵入者がいると外からは入れないよ。開いてたら入れるけど自動で閉まるよ。
そしてボス部屋は入口と出口に数人が立てるスペースだけを残して水深10メートルの天井は水面から2メートル50センチ、広さはバスケットコート1面分くらいで水の魔法を使う海くんが有利になると思うよ。
私が勝手に作ったけど文句はないみたい。
逃げられるようにしたのは、海くんにわざわざ戦う気力を失った人を殺させるのは悪いかなと思ってね。私が無意味な殺戮は後味悪いかなって思ったのもあるよ。
海くんはボス部屋の出口側つまりコアルームへのロックされた扉の前に立っている。
入口の扉の前での作戦会議が終わって冒険者達が突入してくる。
『人間か?俺達はこのダンジョンの調査だけだ』
海くんは返事をしないで静かに立っている。
『ダンジョンの破壊するかはこのダンジョンが役に立つかで決まるから詳細を教えてくれないか?』
おそらくリーダーが情報を求めてくる。
「敵じゃないなら冒険者から名乗ればいいのにね」
コアルームで私は独り言を呟く。
『モナ、俺が守りきるから帰ったら結婚してくれ』
!?!?!?!?!?!?!?
大きな盾を持っている狼獣人が空気を読まずにエルフに求婚する。海くんの回答待とうよ!?情報はいらないの!?
「えっ!?なんでこのタイミング!?まさかの敵も死亡フラグ建てるの!?」
思わずコアルームで叫ぶ私。
『えっガムイと結婚はまだ決められないわ』
「冷静に保留って空気を読んで結婚しろよー!!」
もはやいろんな心配なんて無くなり非常識な冒険者に全力でツッコミをする。ラスボス部屋には聞こえないけどね。
『勝って終わる頃には決めさせるさ』
『『『『『・・・』』』』』
カッコいいけど大丈夫?海くんがここで口を開く。
『なぁ、空気読もうぜ、侵入者だし空気読めない奴等は信用できないな』
「まさかの海くんがツッコミ!?しかも空気読めって海くんも出来ないよね!!空気どころかほとんど人の気持ち汲み取れてないよ!!」
海くんは一気に水面は駆け抜けて戦闘を開始する。海くんは本当にファンタジーしてるよ。あれって魔法を使ってないらしいけどおかしいでしょ?物理法則はどうなってるのよ?
大盾装備のガムイは素早く海くんの攻撃を防いでカウンターを狙ってシールドバッシュを仕掛けるも、海くんは片手で大盾の上側を掴んで、飛び越えようとする。
海くんに素早く反応した剣士がを迎撃するために斬りかかる。海くんは飛び越えるのを諦めて、なんとか体勢を崩しながらもギリギリで回避する。そして盾の前面を蹴った勢いで後ろのプールに背中から入水する。
「かなり速い!!強いぞ!水魔法も気を付けろよ!!」
リーダー格の冒険者が注意を促す。水の上は海くん短距離なら走れるから魔法じゃないよ。
海くんは少し離れた水上に氷の足場を作ると、そこに水中から飛び出して乗る。だから身体能力バグってるよ。
たぶん一対一なら海くんの圧勝だけど相手は6人もいるし連携もばっちりで海くんは不利だと思う。
それでもオークを一撃で倒す海くんが攻撃力不足ってことはないと思うけど。でもケガをして欲しくないし、コアルームに見ず知らずの冒険者を招き入れようとも思わないから海くんには勝って欲しいという思いと、海くんが不利という事実が私の不安と恐怖を増やしてあっという間に胸を支配している。
海くんの敗北は私の死と認識していることも影響している。奴隷くらいなら耐えられると思うけどさ、海くんは親であり好きな人であり私の剣であるのだから失えば、私の身も心も耐えられない気がする。
そんな思いなんてラスボス部屋の戦闘には関係なく進んで、海くんは水魔法で攻撃しようとラスボス部屋のプールから水球にして浮かせてその水球を、突撃させる。
「バリア!!」
モテない方の女冒険者がバリアを張って海くんの魔法攻撃を防御してみせる。
「海くん負けないで・・・」
私はコアルームから海くんの建てた全部のフラグが折れるのを応援するしかなかった。
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