004話 勇者と魔法少女??

 スティーは2ヶ月でBランクに昇格してさらに斥候としてレベルアップのためにソロで周辺の魔物狩りをしている。スキルと速度に絞って上げまくっているようだ。


 スティーいわく「あんたのためじゃないわ、勇者パーティーの斥候になりたいだけよ」


 そう言いながら狩りの結果とスキルの自慢を俺にしていた。


 半年して思い出すと、俺は最初こそステータスもスキルレベルも貧弱で苦労した。


 聖女シーナは回復魔法と派生元の光魔法しか使えないのに俺の風&火&光魔法のコンボは真っ正面から光魔法に撃ち負けて瀕死に何度もなった。


 聖女シーナによると「光魔法は発動後のスピードは速いですが射程が短く、私は苦手なので威力も低いですよ」


 ということみたいだが俺には超速超火力であった。


 ※光の物理法則により空気で散乱するため収束率が低下し威力が落ちます。


 午後の聖騎士ムツナは筋トレやダッシュ、持久走などで基礎トレーニングをして最後に模擬戦で終わりである。


 太ましい俺にムツナが小指でデコピンしたら避けられず錐揉み回転でぶっ飛び瀕死にはなったが聖女シーナを半裸にして抱きつけた(笑)のはいい思い出かな?


 なぜそんなことになるのか聞くと「ステータスの大切さがわかったな。基礎トレーニングを疎かにしてはいけないぞ、ステータスを上げるには基礎トレーニングが一番大切だからな」「ムッツリスケベドジっ子だからです」


 基礎トレーニングの大切さを教えるためにしても、俺の自信は粉々に破壊的されたのであった。


 そしてラッキーだったし・・・仲間として頼もしくあったな。


 次の日にはステータスが爆上がりしていて俺自身が強すぎてコントロール不能だったが、聖女シーナや聖騎士ムツナにとっては誤差に過ぎないレベルで今度は薬指でデコピンされたら、またしても錐揉み回転でぶっ飛び昨日より酷い瀕死にはなったがまた聖女シーナを半裸にしてなぜか抱きつけた。


 毎日ステータスは爆上がりして俺自身の身体をまともにコントロールを出来るようになるのに4ヶ月を必要として、更にスキル強化で2ヶ月を必要としたのだった。


 スキルという概念がいまいち理解しにくいが神の定めた通りの行動と結果が得られるものらしく、同じスキルなら過程も結果も同じらしい。とはいえレベルは同じでも上がりたてと上がる直前で差は少しはあるらしい。



 

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 勇者降臨してから半年たった今は、チートの権化とかしている。ステータス値は未だに上がり続けているが誤差の範囲だし、制御に問題はない。


 ルックスも基礎トレーニングで少しは引き締まった身体になった。魔法スキルも派生して、転移して始めに持っていたスキルも全てレベル10で上限カンストである。


 俺の戦闘スタイルは遠距離は風魔法の派生雷魔法で高速高火力を叩き込む。


 光魔法の派生の回復魔法で微ダメージは無視でき、近接すれば手数の多い双剣と光魔法による飽和攻撃を行うことで回避不能にして大ダメージを与える。


 防御に徹されても火魔法の派生した炎魔法で焼き付くすし風魔法で俺には熱気を抑えられるから問題ない。


 俺が敵で近寄ると勝てる気がしない。遠距離攻撃の雷魔法を放たれる前に逃亡するしかないと思う。ソロでここまで強くなった。もちろんムツナ相手に試合して魔法なしの双剣だけで勝ち越せる。


 スティーは素早さに特化で探知系スキルが多くて勇者パーティーの目としては俺より優秀である。素早さでは俺に勝っている。

 

 いくら早くても俺の超火力で一撃だから逃げる暇なんて 与えないけど。


 これは勇者である俺の敵は逃げることも奇襲をすることも難しいと思う。


 聖女シーナは広範囲回復や欠損部位回復、状態異常回復まで使えるため並のダメージは即座に回復出来る。回復魔法なら俺より上手い。欠損部位回復は集中と時間が必要だが腕まるごとでも一時間ほどである。


 死者の蘇生だけは不可能なので即死さえしなければ負けないし、死なない。


 聖騎士ムツナは防御よりの物理型で盾と片手剣が得意で馬上では槍も使う。


 俺は攻撃が全てなのでスティーと聖女シーナの守りは聖騎士ムツナが行うが攻撃力も高いので近接では穴がない。


 パーティーとしては完成度が高いが弱点もある。遠距離攻撃手段の少なさと広範囲殲滅力の低さである。


 俺は近接超火力に遠距離攻撃も出来る程度だから仕方ない。広範囲攻撃は特に苦手だ。


 そこで対策として魔法使いを教会に紹介して貰うのことになったわけである。


 教会の応接室で聖騎士ムツナと斥候スティーと俺で、聖女シーナが選ばれた魔法使いを呼んで来るのを待っている。


 コンコン


「お連れしました」


 聖女シーナが新メンバーを呼んで来たようだ。


 ガチャリと扉が開き聖女シーナとかわいい子供が入ってくる。


「賢者ロリィ!!!」


 聖騎士ムツナが驚きの声をあげる。


「「だれ?????」」


 スティーと見事にハモる。


「歴史学者で三十年前に賢者の称号を与えられたロリィですよ」


 聖女シーナが答えてくれる。どうやら戦闘職ではないようだ。


「宮廷魔法使いの弟子も多いし、有名人なのじゃぞ。大賢者レントの大火力の魔法の復元と収納魔法付与が研究課題じゃ。収納魔法を使える勇者が居るなら研究せねばならんのじゃ。全属性魔法が使えるし、大魔法の研究で魔物狩りもするのじゃ役に立つぞい」


 どうやら三十オーバーのロリババアのようだ。もちろん三十オーバーなんて口に出すような真似はしない。だって見た目可愛いし合法ロリなんだ。好感度を下げることはしない。


「候補に上がっていた冒険者の魔法使いや教会騎士団の魔法使いが全く歯が立たない使い手です。実力は保証します」


「それは心強い。これからよろしくお願いします」


 合法ロリですね。ありがとうございます。


「世界を救うために頑張りましょう」


 全会一致で新たなメンバーに決まったのだ。


 バランスの良いパーティーになり魔王討伐のためのレベルアップも完了した勇者パーティーは旅立つことになったのだった。

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