130話 ストーカーも真っ青

 近衛騎士団長もカッコいいけど、やっぱり海くんが一番カッコいいと思う優姫だよ。

 

 

 海くんは銃弾がとめられたから、エレンティアに改造を頼んだみたいです。そりゃ魔法がある異世界何だから、魔法を組み込んだらもっと強くなるよね?

 

 私は魔法なんて分からないし、使えないから何も出来ないかな?

 

 前世が大賢者のエレンティアでも暴発させたり、性能が悪くなったりであんまり上手くいってないらしいけどね。

 

 私も頼まれたら頑張るけど、そもそも頼んだ海くんがサイオンと遊んでる?遊ばれてる?よ。

 

 まぁ原因はサイオンがいまだに、とろけてる事なんだけどね。

 

 海くんにくっついて離れないし、いろいろと尽くそうとしてるけど、なんでも今回なのかは分かりません。

 

 今までに海くんのカッコいい姿はたくさんあったと思うんだけどな。

 

 サイオンは仕事はきっちり?たぶんかな。してるみたいだし文句はないかな。

 

 そんな事を考えているとサイオンがダンジョンの見回りから帰って来て海くんに抱きつきます。

 

「今日も侵入者なし!異常もなし!問題ありません!」

 

 報告と姿がマッチしてないよ。完全に目がハートで抱きつき状態なのに言葉は真面目な口調で報告ってギャップが大き過ぎるよ。

 

「了解、ありがとな」

 

「エヘヘヘ、エヘヘヘ、うんもっとがんばりゅ」

 

 サイオンの口調もとろけた。海くんはサイオンを溶かす溶媒なのかな?

 

「十分に役に立ってるから無理はするな」

 

「エヘヘヘ、わきゃった!そうしゅりゅ」

 

 サイオンの溶解が進んで会話が難しくなってきてない?大丈夫?

 

「もう少しまともにしゃべれよ」

 

 おぉう、海くんが遠慮なくツッコミ入れた!?ヤバくない?サイオンってヤンデレとか闇落ちとか逆ギレとかしない?

 

「ちゃんと言えてりゅよ?ユウキもしょう思うでしよ?」

 

 ん?えーと、そう思うかな?・・・言えてないね。

 

「んー、ちょっとあやしいと思うよ。でも海くんはカッコいいから仕方ないと思うよ」

 

「カッコいいどころじゃないよ!!カイは至高の存在なんだよ」

 

 ゲゲゲッそこが地雷なの!?私フォローしたよ!?ヘルプ海くん・・・ん?海くん・・・あれ?居ない!?海くん!?サイオンを私に押し付けて逃げたな!!

 

「ソウダネ」

 

 取り敢えず肯定だ!これ以上地雷踏んだらヤバいことになる予感しかしない。

 

「じーーー、わかってないでしょ?」

 

 !?なんでこんな時だけ鋭いかな。とにかく話題を変えるしかない。

 

「至高って一番ってことだよね?」

 

「この上なく高く、すぐれていること、そのさま。言い換えるなら最高だよ」

 

 えっ・・・詳し過ぎない?そういえばサイオンは元皇族だし高等教育までしっかり受けてるのかな?私も学生の頃は勉強したかもだけど覚えてないや。なんにしてもこんなときは誉めておけば解決するよね?

 

「おお!!サイオンって凄いね!」

 

「そうじゃないでしょ!!カイが世の中の中心にして至高の存在なのをユウキが理解してるって話だよ?」

 

 ええっ!そんな話しなの!?誤魔化す作戦失敗か?

 

「モチロン、海くんは最高だよ」

 

「むむむ、じーーーなんか違う!わかってない気がするけど?」

 

 なんでこんなところで鋭いの!?

 

「気のせいじゃないかな?」

 

 誤魔化して話を変えるしかない!

 

「ユウキのは微妙に違うと思う!カイはね、世界から異端として認められなかった僕を唯一、皇族として以外で認めてくれたんだから、カイは世界の中心にして何事にも優先されるべき核心的存在で一人の愛くらいじゃ足りないんだよ?わかる?」

 

 おぉう、重いよ。これは現人神くらい崇めてるよね?ストーカーも真っ青な一方的で重い愛だよ。ヤンデレさんの独占欲仕事して!!確かに気紛れな海くんに、たくさんの女の子がいるから今更減らせないのは分かるけどさ。

 

「海くんが一人で足りないのは分かるよ。ところで核心的ってどいう意味なの?」

 

 核心的って大陸の中の付くアジアのどこかがニュースでなんか言ってたとか聞いた気がするようなしないような・・・

 

「物事の中心となる大切なところ、つまりカイは全ての中心として在るべきで世界の最も重要で至高なの!!何事にも優先されて当然なんだ!!」

 

 聞けば聞くほど、サイオンの重い思いは分かるけど、私にまで求めないでよ。そこまでの自己犠牲をして海くんを優先出来ないよ。

 

「あれ?そういえばユウキのお願いはカイ叶えてるから、ユウキは核心的存在なのかな?ユウキにカイが求めてるのは、なんだろ?んー難しいな」

 

 なんか勝手にヒートアップして勝手に悩み始めた!?とにかくラッキーを見逃さないよ。

 

「えーと、みんな全く一緒だと多くても一人でも変わらなくない?きっとそれぞれみんな違っていいんじゃないかな?」

 

「確かにそれはそうかも!!流石ユウキ!カイをしっかり愛していたらいいんだよ!すっきりしたぁ。ユウキはあの時の狙い撃ちするカイはどう見えた?」

 

 なんか勝手に解決したよ。サイオンがとんでもなく重い愛を海くんに向けてるけど海くんがんばれー。

 

「あの鋭い眼差しと無駄の無い動きはキュンキュンしたよ」

 

「だよね!!しかも近衛騎士団長相手に完勝したのに満足なく上を目指すんだからカッコいいよね」

 

「何より出来る男は最高にステキだよね」

 

 こうしてなんとか地雷を回避して、女子トークに華を咲かせたのでした。


 どうやら、ストイックな海くんの姿を見てサイオンはとろけたらしいね。

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