070話 再び襲来

 あれはないな~と思う優姫です。



 前回の襲来より1週間ほどして、またウサミミ美女がダンジョンの攻略にやって来ました。


 そして不退転の意思で進んでるようで、サイオンの奇襲も魔物で戦いを挑んでも倒せません。


 倒せないというかひたすらに硬いので打つ手がないだけなのです。


 食事も工夫していて、壁に向かって食事をして、食事中の攻撃は背中で受けて無効にしている。対策されてるけど、なんか違うくない?


 飲料水は水筒からチビチビと飲んでいるようで、やっぱり飲んでいるときは背中で防御している。


 マジであれはチートでしょ?一度でも撃退したサイオンは凄すぎるよ。



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 なんとか足止めに急遽オーガを召喚してボス部屋に設定して、勝てなくても絶対に負けない作戦をとりました。黒光りカサカサ悪魔の大群は共食いでボスが死んじゃいましたからね。


 今はまさに監視しているのですが、予想外にボス部屋のオーガと互角にやりあってます。


 結果的にオーガに勝ち目はなさそうですけどね。


 かなり強い突剣を持って来たらしく、攻撃力不足がある程度解決されてて、まさに超絶タンクで防御に物をいわせてひたすら突撃を繰り返すという全く変わってない戦法だけど、当たればオーガには僅かにダメージがあるみたいです。


 オーガの固い皮膚を僅かなりとも貫通して突剣は出血させているけど、オーガが出血多量で死ぬには相当な時間がかかりそうです。


 ウサミミ美女の防御力が高くてオーガの攻撃はノーダメージなのだから、いずれはオーガが出血多量で負けるのは必然ということです。


『チェストー!!』


 ウサミミ美女が突剣を肘を折り曲げて、前屈みで体当たりするかのようにかまえて走ってる。


 オーガは迎撃するべく棍棒を振り下ろしてウサミミ美女に直撃する。


 普通ならこれでウサミミ美女は死ぬか瀕死のダメージを受けてもおかしくないが蚊に刺された方がダメージがありそうな様子で突撃は止まらない。


 もう何度も繰り返された光景で3割程度は、突剣が突き刺さりオーガに僅かでも傷つけている。


「ユウキ様、紅茶です。それにしても酷い戦闘です。」


「キアリーさんいつもありがと。素人同士のどつきあいだよね?見ててつまらないよ」


 キアリーさんの淹れてくれる紅茶は味の深みと香りが日々上がっていて最近は本当に美味しいくて、今や日本でもなかなか飲めないほどです。少なくとも私は前世で飲んだことない美味しさです。


 海くんはほぼ料理の味が分からないけど、なんとか美味しいと言って欲しいらしく練習と研究を繰り返して料理全般の腕を上げているキアリーはホントに凄いと思うのです。

 伝説の料理人でも目指してるの?


 そんな紅茶に今日も感動を覚えているとキアリーさんが解説してくれます。


「オーガはあんな戦い方ですから良いのです。ステータスのみでスキルもなく戦うのは人間の戦法と言えませんから酷い戦いと言いました。」


 確かに『チェストー!!』と叫びますながらひたすら突撃はある程度の戦闘なれで回避可能かな?


「確かに素早さも低いし魔物相手に大半外してるし弱いけどそこまでなの?」


「知性のない魔物と同じ戦闘スタイルなので、正当な評価です。むしろ子供でももう少しまともな戦いをしますよ。フェイントは基本中の基本です。」


 ウサミミ美女は何もないところで転んでオーガに馬乗りにされて殴られても平気なようだ。


「「・・・」」


 そして突剣でオーガに反撃をしている。あれはフェイントなの?


「キアリーさん、防御力ってなんなのかな?」


 そして疲れたのか馬乗りされて殴られながらもノーダメージのウサミミ美女は休憩している。


 突剣の傷によりオーガは出血しいて、そりゃ休憩してもオーガのダメージは増えてるだろうけどさ、おかしいでしょ。


「・・・はっ、あれはただの非常識です。」


 どうやらキアリーさんをかなり停止させ混乱させるほどの非常識な行為のようで、回答が繋がってるか微妙な気がするね。ウサミミはただのバカなんだろうな。


「いろいろと意味がわからないよ、なにあれ?シュールすぎるでしょ」


 私の偽りない本心です。

 刺されて流血してるオーガに馬乗りで殴られても平気に休憩してるウサミミ美女って映像で見ても信じられないしね。


「・・・。マジで防御力なのか?という疑問をかんじます。オーガに殴られてもなんともないとかホントにあり得ないです。とりあえずカイ様に報告しましょう。後は足止め以外に出来ることなさそうです。」


 キアリーさんの敬語が崩壊するほどの意味不明なバグウサギのようです。それでもさすがに元メイドさんすぐに敬語復活です。


「海くんに報告しかないね。出来るのは海くんの攻撃が効くと祈るくらいかな?」


「そうですね。攻撃はカイ様ならなんとかなさると思います。いくら防御力が高くても沈められての窒息は防げないでしょう。」


「そうと決まれば行動だね、海くんのところに行きましょ」


 ダンジョンの機能で海くんを探して、向かうのでした。

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