058話 一万DPを稼ぎ出せ
ネイ side
毎月一万DPで永遠の若さが手に入りますー♪
宝物を出せば冒険者は来ますが、経費も増えますー♪なので利益を上げる方法を考えましょうー♪
まず思い付くのは宝物の数を減らして大物を設置して無駄足があっても一♪攫千金が狙えるダンジョンですねー♪
これは冒険者の稼ぎが安定しないのでー♪たくさんの冒険者が増えない気がしますねー♪
では宝物を増やして手に入るDPを増やす方法を考えましょうー♪
DPはとにかく冒険者がスキルを使ったり長く居ればそして死ぬと稼げますー♪
魔物をたくさん配置すれば戦闘でスキルを使って稼ぎが増えそうですが召喚のDPが高くて結局儲けがあまり出ないのですー♪すぐ倒されると赤字ですー♪
ユウキ様は一階層の儲けが1日で数千DPあるらしく、ホクホクみたいですー♪
元手があまりないので拡張も難しいのです♪
私はメニューを見ながら悩んでいるとユウキ様が声をかけて来ましたー♪
「ネイが悩むって珍しいね、どうしたの?」
「稼ぎを増やさないと不老が出来ないですからねー♪DPの稼ぎ方を考えてましたー♪こういうのはレイナの方が得意なのですー♪」
運営とか稼ぐとか経営や王道はレイナでー♪攻める奪うなら私なんですねー♪
「DP貸して上げようか?返済は10%上乗せの分割払いオッケー、期限なしで10万DPまでならいいよ」
「11万DP返せないと、どうなります?ー♪」
「赤字ならダンジョン維持の経費は補填してもいいけど、老化停止とかは出さないよ」
「10万DPで稼ぎを増やせということですか?ー♪」
「単純に多きな階層なら攻略に時間がかかるから、奥に来にくくなる気がしてる。だから三階を大きくして欲しいんだよね。防衛的にも大きく稼ぎがあるところを超えて奥に来たら敵って分かりやすいしね」
「オオー♪移動時間を伸ばすという作戦ですー♪やってみますー♪あとは迷路は地図があれば無効化出来ますが、曲がり角を増やせば距離を稼げて、いいですねー♪」
「魔物繁殖は使えそうだよね」
「コストばかりでトラップにも使えないと思いますー♪」
「召喚した魔物を繁殖させてダンジョンに放つから召喚より安く魔物を調達出来る便利施設だよ。2階のホーンラビットとガーデンバードはそれで増やして2階に放ってるからね。後ダンジョン防衛のゴブリンも増やしてるよ」
「オオー♪コストカットが出来ますねー♪」
「黒光りカサカサ悪魔なら分けてあげてもいいよ。ガーデンバードとゴブリンの餌になってるのに増えすぎて困るのよね」
「それはたまに宝箱の部屋に黒光りカサカサ悪魔の部屋を準備しましょうー♪」
「敵は弱いけどある意味恐怖の部屋だね」
「あとは奥に進む道は宝箱を配置しないでー♪狭い通路で長くしておきますー♪冒険者からしたらー♪稼ぎがなくて意味が無いようにしないとねー♪」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
いずれは冒険者達にダンジョンの三階層目は広大であるが稼ぎのよいところと認識されるようになり、ネイの稼ぎで宝箱と広さが追加されていくことになるのだった。
ハズレルートは分岐がなく、狭いのですぐ分かるり奥に進むなと言われるようになったのは当たり前だ。
それはもちろん先輩が残した情報としてラスボスルートだぞ。公開プロポーズの刑になるぞと、それがこの《ラスボスがヤバいダンジョン≫の由来とだからと新規の冒険者を震え上がらせたのだ。
更に奥に進んだ大半の冒険者は、サイオンに吸血されて体力を奪われて、進化したゴブリンに追い回され、宝物はないし魔物の素材はゴブリンだしキツイので帰ることになるのだった。
ただ四階層からはマッピングを嘲笑うかのごとく上下の移動は多いし微妙に直角でない曲がり角や曲がりくねったカーブ、大量の分岐する通路と迷宮と呼ぶにふさわしい難易度となったのである。
なかには気が付きにくい緩やかなスロープで居る階層を分からなくするというものまである。
この迷宮の設計はサイオンが行っているが本人いわく、あれは迷うという代物である。
サイオンはというと、カイのために死ぬ気で覚えたけど、カイは設計図を完璧に覚えてて、ショックで寝込んだが、冒険者を奇襲に役立ってカイの役に立つと喜んだとか。
サイオンは冒険者を退治してボーナスで稼ぎ、キアリーは付与アイテムを量産して稼ぎ、ネイは冒険者から稼ぎ出すようになったのだ。
その頃には一階層には村が出来て、冒険者も常駐して優姫は圧倒的なDPを手に入れて、光熱費も水道も使い放題と贅沢な暮らしをしながらDPを貯めて、防衛階層の追加と新兵器の開発に乗り出せるようになったのだった。
でも鋼は産み出せないし、火薬はそもそも原料すら分からないし、発電機も原理が分からないと、現代人の弱点が露呈していた。
つまり火薬と鋼で大砲が出来ると知っているが、火薬と鋼の作り方を知らないのだ。
発電機も磁石とコイルで電気が作れるけれど、どう動いているのかを知らないから作れないということだ。
エンジンなんて車のキーを差し込んで回すか、ボタンを押せば動くという知識しかない。
「知識チートってさ、ネット環境あっても無理じゃね?」
と優姫は壁にぶち当たり何年もの歳月をかけることになるのであった。
簡単に作るなら蒸気機関と、黒色火薬だがそんな知識はもちろんないのである。
理科の知識なんて学生時代の20年以上前なのだ。さらに細かい構造なんて忘却の彼方である。
海くんの知識にある兵器を産み出すなら、ステンレス、無煙火薬、半導体、精密加工、内燃機機関、バッテリー、発電機、無線技術、ソフトウェア、センサー、チタンやタングステンの加工、塗装、セラミック、溶接加工、コンピューター、化学合成、などなどありとあらゆる最新工業技術を全て開発するという無理ゲーである。
無知はこれらに挑むには必要なのかもしれない。
少なくとも兵器を1から研究開発製造できる国家は地球でも多くはないのである。
ダンジョンの力だけで地球の最高の科学技術、工業技術に並ぼうとは無謀なのである。
それでも難易度を知らないでDPを投入して開発を続ける優姫ちゃんであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます