152話 国防を考えたら・・・
あのエレンティアの魔法の威力は核兵器くらいあると思うよ。海くんいわく戦略兵器級の威力らしいって聞いてドン引きの優姫だよ。ちなみに水爆や原爆よりはかなり弱いって、言うから地球人は頭おかしいんじゃない?とか思いってる優姫だよ。
バンパ王国の王都ダンジョン化でDPの稼ぎは激増して、億単位のDP収入になってます。更に街と城に維持管理費も光熱費もいらない。だって勝手にやってくれるから根こそぎカットして、秘密の地下通路だけの維持費にしてるよ。
まだ不老不死になるには足りないけど、月に約15億DPの黒字だから、やりたい放題だよ。なのでバンパ王国の王都セルファナスの地下に魔物牧場?を作って戦力拡大に、エルフの領域を完成させました。
今は海くんとサイオンに移転してくるシバル王国の王都の港を相談してます。
「港ってどう作ればいいかな?」
「防波堤を作って船を波から守ればいいのかな?」
サイオンが微妙な知識を教えてくれますがダンジョンは洞窟型だしサブコアでも作って工夫するしかないのかな?
「砂浜を浚渫・・・浚渫でいいか、海水をダンジョンまで引き込めば良いだろ?それで屋根付きの巨大港になるだろう?セキュリティ的には軍港と貿易港、それと港湾地区自体を隔離した方がいいが、物流的には直通だろうな」
海くんの説明は分かるようでよく分からないよ。
「しゅんせつ?って何?」
「川とか海の底をさらって土砂を取り除くことだよ。確かにほとんど掘削というよりは浚渫になりそうだね」
「なるほど大きさってどのくらい必要かな?」
「んーネイに聞いてみる?」
「確か空母で全長300メートル、幅80メートル、くらいで艦隊を組んでるな」
「なるほど、めちゃくちゃ大きくてもいいのかな?」
「そんな船ないけど・・・もし手狭になれば拡大できる余地があれば良いと思う。埠頭に桟橋があれば困らないよ。出来るなら軍港と貨物港を分けたら?」
サイオンの意見はそうかも、使わない場所も維持費に光熱費は必要だしね。
「ふむふむ、軍艦用の港と民間用の港かな?後は停泊スペースに積荷のスペースくらい?」
「ついでに修理するドックも併設したら良くない?」
「イイね追加しよう。それなら港の階層、商業の階層、工業の階層、住宅の階層、城階層で分けようかな。高さが違えば拡張もしやすいそうだしね」
「階段で混みそうだし、馬車使えなくない?」
サイオンが、最もありえる指摘をします。
「階段とスロープを併用して、移動箇所を増やせば良いだろ?後は各フロアに直通にすれば分散するはずだ」
港から商業フロアしか行けない道、工業区にしか行けない道を作ることで、強制的に分散させる作戦ですね。
荷物検査が少ない階段ルートや荷物用のスロープなどを併用してそれぞれ分散させる。
各フロアも複数箇所で繋いで分散すれば渋滞は減ると図解をしてくれます。
海くんは頭いいね。
「なんでそんなに簡単に思いつくの?」
「移動の効率化は機動の基本だろ?部隊が移動しようとして詰まったらアホだよな」
なるほど、軍隊が渋滞してたら意味ないもんね。移動開始したら渋滞して、動かない戦車に装甲車、武器とか兵士を満載したトラックがズラーと無意味に並ぶ・・・弱そう。
「確かに渋滞して動けないとか弱そうな軍隊だね」
「でも攻められやすくならないかな?」
サイオンの指摘に確かにこちらが移動しやすいなら敵も移動しやすいと気が付きます。
「そもそも首都が攻撃されたらすでに負けだが、地下で入口が限られてる以上防衛はしやすい。大軍で街の下のダンジョン攻略しようとしたら侵入に手間取って、数の有利を失うはずだ。それにダンジョン内の時点で圧倒的に防衛が有利だ」
海くんの言う通りダンジョン攻略なら軍隊は不向きだし、軍隊相手なら市街戦はしないべきで入口で防衛する。それが正しいと思うな。んーなんか私って流されてばかり?
「確かに冒険者ならスムーズに入れても軍ならズラーと並ぶだけで入れなくなりそう。通路に並んでるところにレールガン撃ち込めば負けないね」
サイオンが物騒な事を言ってるけど、アサルトライフルとかガトリングガンとか、レールガンで猛攻するなら並んでくれてて、敵の身を守ったり隠れたりするのに使える障害物がないダンジョンでは楽勝じゃん。むしろ一方的に殺りたい放題、不意打ちしたい放題で負けないよ。
「そもそも大軍で向かってくるなら、途中でエレンティアに消し飛ばされる運命じゃないか?」
「移動してる軍を隠せないよね。少数なら可能でも、防衛力を突破する戦力を結集したら・・・街の防衛とかいらないね」
「最低限の示威戦力は必要だろうがな」
「そのあたりはシバル王国の仕事ポイね」
海くんとサイオンの話し合いで防衛は問題なしと。
「本気で防衛を考えるなら農業と畜産、養殖を整備するべきだな」
「「???」」
サイオンと私で顔を見合わせても、さっぱり分からない。
「食料輸出国は輸入国に国家規模での兵糧攻めを可能とする。それは安い食料が供給され続けているなら農地の維持と拡大は損失となり、住宅や工業、商業用地にするべきとなる。そこで戦争となり安い食料供給が止まれば、食料不足となる。対応して農地を増やし、食料を得るには最低でも、年単位で時間がかかる。更に農業用水の確保も必要だ。さて、国民の何割が餓死するだろうな?戦争をやめれば、降伏すれば食料が買えるなら妥協すべきと考える者はどれだけいるかという事だ。中には水が足りなくて人口分の農業生産が不可能な国もあるだろうな」
海くんにもう少し詳しく聞くと、先ずは安い食料が買えるなら自分達で作らなくて、もっと稼げる物作った方がいいとなる。経済の原則だし、役割り分担としても正しい。
次に安い食料を食べれて人口は増えて、農地は儲かる職業の用地と増えた人のために住宅になり減るばかりになる。
その状況で農業国(輸出国)に喧嘩を売ると輸入がストップ、食料不足が発生する。
餓死しながら戦争なんて無理、食料の自国生産は間に合わない。従ってでも食料を買うしかない。
最低限国境線を防衛されたら、食料を奪えず食糧難で自滅。こうなると戦争を仕掛ることも出来なくなる。
これって日本とアメリカのあと中国とかの関係じゃない?農地ないのが日本ね。
シバル王国には莫大な農地を用意しようと、心に決めました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます