197話 ヴィシリアの奴本当に待たせやがった

 海くんとヴィシリアの戦闘だよ!!見逃せないからエレンティアを引っ張り出して、キアリーさんとのダブル解説を頼んだ優姫だよ。

 

 

「海くんのために水も用意したし、弾丸もDPの続く限り補充するし、レールガンもこっそり準備してあるし完璧だよね?」

 

 海くんの近接戦闘を見逃せないからエレンティアとキアリーさんを呼んで、ヴィシリアが準備してる間に、私も準備を整えたよ。

 

「カイ様を信用してないのですか?」

 

「海くんがケガしたやだもん」

 

 海くん大ケガしても普通に戦闘続行するからね。相手は複数だし海くんが大ケガしそうならヴィシリアを消し飛ばさないとね。

 

「カイにはAランク冒険者程度の攻撃が当たるとは思えないけど・・・これだけあれば皆殺しも出来るね」

 

 エレンティアのお墨付きをもらったし一安心かな。

 

「それよりも降伏はまだなの?」

 

 エレンティアが追加で質問をします。

 

「お外の敵?そっちは、ミレーナ達歪曲魔族とゴブリンで街をぶっ壊して街道を寸断してるけど、諦めないね。あとヴィーザ大森林はかなり制圧したよ」

 

「やっぱり神託があると諦めないのか。それよりもヴィーザ大森林の制圧戦力よく足りたね?タランクトの特異個体とはいえオークも、AランクとかSランク多くいたでしょ?」

 

 エレンティアさんや、大賢者なのに甘いね。

 

「普通にクイーン卵産んで増えて、特異個体が増えてるから放置してても、勝手にオークとか敵性の魔物は減ってるよ」

 

 エレンティアはげんなりした顔になる。

 

「ヴィーザ大森林が魔境と化してる気がするわ」

 

「ダンジョンの支配下なので、我々には普通の森より安全かと思います。諦めましょう。」

 

「そうかもだけどさ、タランクトの特異個体が、ウジャウジャいる森とか恐ろしいって」

 

 エレンティアとキアリーさんはこんなこと言ってるけど、お外はダンジョンより恐いよ?

 

「そうかなぁ?なんかね滅茶苦茶強い狼がいたよ?キングとかクイーンを数体向かわせてもギリギリ負けそうになったし、お外は恐い魔物がいっぱいだよ?」

 

「「!?」」

 

 エレンティアとキアリーさんはお互いに顔を見合わせる。

 

「ユウキ様おそらくは、牙狼の魔王と思われます。」

 

「Sランクで構成されたパーティーで死者を覚悟しても勝てるかどうか、くらい強いのが魔王だからね」

 

「へぇー、Sランクって弱い?」

 

「国家でも簡単には刃向かえないくらい、強いとSランクの冒険者になりますね」

 

「あれ?魔王って強すぎない?この世界終わってるなー。ん?あれ?ゲーヘルとかミレーナとか勇者とか魔王殺しだよね?国滅ぼせるくらい強かったの?」

 

 強いとは聞いてたけど、正直私自身がステータスない一般人だから、BランクとかSランク言われても、実感ないし見ても分からないんだよね。みんな早いし強すぎるもん。

 

「そういうことだよ?大賢者も魔王とか街をぶっ壊せるけど、これが異常な強さだからね」

 

「確かに一撃で、街を消し飛ばす魔法使いは強すぎだよなぁ。バランスブレイカーだよ」

 

 そんなキャラいたら物語がおかしくなるからそりゃチート系ラノベでもいないよね。現実は小説より奇なりとは言うけど、この異世界バランス終わってるよね?

 

「そのバランスブレイカーでも、ヴィーザ大森林が恐ろしいことになってるだよ?分かってる??」

 

「そうなの?タランクトってそんなに、強いの??」

 

「タランクト1体ならいいけど、毒とか隠れたりとか搦め手も使うのに、殴り勝つ正攻法な個体までいるんだよ?それでトラップまであって、数がとにかく多いんだよ?数の差でヴィーザ大森林も制圧してるんでしょ。そんな奥深くに行ったらMP尽きるほうが早いだろうしね」

 

「そっかぁ。じゃあなんか初めてみるタランクトがいるんだけど、もっと強いの生まれた?」

 

「ユウキ様、かなりの頻度でとんでもないことをしないで下さい。」

 

「うー、たまにだもん。とりあえず確認してもらおうかな」

 

 えっとあの速いやつ、どこだ??見付けたっと、ダンジョンメニューからエレンティアとキアリーさんに見てもらいます。

 

「うげぇ、ハイフライタランクトじゃん。アサシン系統だけど比較的見つけやすい。でも移動速度が速くて一撃必殺を狙ってくる厄介なやつだよ。速すぎて飛んでるみたいに移動するからね」

 

「なるほど速度に全振りなんだね」

 

「あれ?フライタランクトは格下を一撃必殺する魔物だったような?オークそこまで弱くないしなんで、発生したんだろ?」

 

「さぁ?共食いかな?あとこんなのも居たよ」

 

 前足?蜘蛛に前足はないか。とにかく一番前に付いてる足?脚かな?が鎌になってるよ。

 

「ハイサイスタランクトじゃん。たぶんオークの皮を斬るための変異個体だろね」

 

「なるほど、打撃とか効きにくいのかな?ん?海くん私を抱いたままサマーソルトで、一撃必殺だった気がするしよく分からないや」

 

「カイを基準に考えたらダメだって!!魔法はおかしいし、なんでも避けるし、スキルもステータスもないのにスキル使わないと見えないターゲットに、狙撃を百発百中なんだよ」

 

 そういえば、海くん軍人さんでファンタジーな異世界で身体能力だけで、ファンタジーしてるんだったよ。魔法は使えるけどね。

 

「異世界でもおかしい戦闘力って本当に地球は恐ろしいところだよね」

 

「銃とかエレンティアの大魔法より強力な武器が必要な世界とか怖すぎますよ。」

 

「確かにそうだね。バランスおかしいのはどこの世界も同じなんだね。あっ!!ヴィシリアの準備が終わって、やっと海くんとヴィシリアの戦いが始まるよ」

 

 さぁカッコいい海くんの勇姿を見るぞ!!

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