041話 元女王はヤバイ人?
お久しぶりです。皆さん忘れてませんか?主人公の優姫です。
ネイの話しをまとめると考えこんでいると彼女は売り込みを初めました。
「私のは政治というよりは権力闘争、策略が最強に得意なんです。王道な政治は妹の方が才能ありますしちょっとブーストさせましたから、シバル王国は中央集権により国力をつけて強国になります。その強国の女王に最高のパイプが私です」
「権力とか怖いし興味ないよ」
私は今世も前世も庶民だから権力なんて扱いもわからないし、学校でリーダーすらしたことないよ。最強に得意ってどんだけ凄いし自信あるの?こちらに分かりやすく言葉選び出来てるから頭いいのだろうな。
小難しい言葉やら横文字を並べて伝わらない奴は上から目線で伝える能力不足を披露してるだけだよね?もちろん伝わる専門会議とか知識が近い人の会話は別だよ。
「困ったら私がシバル王国のトップに掛け合うことが出来るのです。もちろん私も仕事します」
なんでこんなに仲間になりたいの?
「確かに悪いことないのかな?私が暗殺とかされない?」
演説とかめっちゃ上手いみたいだし、権力闘争が最強って会話で私は勝てないのでは?それにしてもネイ元女王は凛として綺麗で清楚系な美女だね。
「ユウキ様を暗殺しても利益がありません。私は頭脳戦なら勝ててもステータスは低いのでカイ様どころか、キアリー様にも殺されます。死にたくはありません」
これはダンジョンにネイ元女王が住むのを止められないから、せめて条件だけでも有利にしないとね。
「分かりました。ネイ元女王陛下をダンジョンの仲間にします。でも条件があります」
「なんでしょう?秘密は絶対守るので安心してください」
「秘密なんてないので大丈夫です。条件はダンジョンでDPを稼ぎ出して下さい。冒険者が訪れて黒字化するのが条件です。ダンジョン内に冒険者がいると少しDPが入り、魔力がある生き物が死ねばたくさんのDPになりますが召喚した魔物が死んでも赤字ですね」
「おや?ユウキ様とカイ様はかなり秘密があるようですが、信用されるまで待ちましょう。もちろん、ダンジョンの仲間以外には秘密があることすらレイナ女王にも言いません。ダンジョンの知識は少ないですがアドバイスは出来ますよ。レイナはダンジョンの管理に乗り出すでしょうから冒険者が来るのは確定してるので黒字化してみせましょう」
「秘密があるなんでしょうなんて言われるとかえって信用できないよ。そこまで味方にすぐなる理由も分からないしね」
そこは黙ってるが正解だと思うよ。
「私なりの誠意です。交渉や対話で相手のことを見抜く目はこれくらいという能力開示と秘密を探らないことで長い目でみれば信用が得られるということです」
「私はシバル王国の王家の人間ですから王位くらいは簡単に手に入ります。でもダンジョンの管理者にはこの機会を逃せば仲良くなれません。ダンジョンは国の財政に影響力が強くあるほどです。ダンジョンの大半が魔物が多いところに生まれますから人が管理するダンジョンなんてほとんどのないのだから王なんかより魅力的なんです」
恐るべしマシンガントーク、とりあえずすぐに裏切ることはないでしょう。なんかだまされてる?
サブマスター枠が後1つでフロアマスター枠は階層分だけど、どうしようかな?
信用ならないしフロアマスター枠で提案を私が許可すればいいかな。
「フロアマスターにするので稼げるダンジョンを提案して下さい」
「分かりましたお請けいたします」
海くんは話し聞かないでスライムになんか意志が出来たとかで言って調べ・・・あれは完全に遊んでますよ。本当に海くんは自由人だなぁ。
「いくつか提案と確認があるのですが、よろしいですか?」
「仲間だし私は子供だし、敬語じゃなくていいですよ、さてなんでしょ?」
「ありがとうございますー♪やっぱり素で喋る方が楽ですねー♪提案は冒険者を接待するダンジョンにしようと思うのと、カイさんって強いのですか?ー♪」
なんだろう女王からバカにクラスチェンジした残念感があるよ。凛とした美人がおバカ口調って違和感しかないよ。
「冒険者を接待して稼げるならいいですよ。海くんは私より元冒険者のキアリーが評価した方がいいかな?戦ったこともあるしね」
キアリーさんが海くんの強さを語ります。
「そうですね、私のパーティーはCランクでしたが実力はBランクで残るは期間制限を待つばかりでした。そのパーティー相手に無傷で圧勝でした」
「それはAランクくらいでー♪、近衛騎士団長と同等ですかー♪」
「Aランク最強はあります。Sランクに届いてるかは分かりませんが攻撃が当たる気配もありませんでした。回避は凄まじく上手いです」
「強者はステータスで先手必勝ー♪一撃必殺ですよー♪それは弱いのではー♪?」
「そもそもその先手が当たらない相手に勝てるのですか?」
「なるほど、確かに当たらなければ最強ですねー♪ラスボスが彼なら安心ですねー♪」
「海くんは強いから大丈夫ですよ。接待ってどうするのですか?」
「まずダンジョン内にトラップとか魔物がいない安全地帯を入り口に大きくとってそこで準備、休息が出来るようにしまーす♪。砂浜で野宿はしたくないしー♪森は崖上で不便すぎですからねー♪」
「なるほど、私はそういうこと知らないから、普通に森に拠点を作ると思ってたよ」
「後は水が手に入れば完璧ですー♪二階層はガーデンバードとホーンラビットの食料補給ゾーンですー♪」
「砂浜に、拠点作れないからだだっ広いスペースをとって拠点を全部取り込んだらいいのでは?」
私が提案をします。 なんかのゲームでダンジョンの中に村あったような気がする。
「その発想はなかったー♪ダンジョンは洞窟の奥にあるとか最高にDP稼げますよー♪それなら三階層は採掘ゾーンですねー♪少し迷路にしてダンジョンぽくしましょー♪」
「ダンジョンの防衛はどうするの?」
冒険者は喜んでDPうはうはぽいけど攻略されてはまずいよ。
「トラップはスキルで回避されるのでいりませんー♪凶悪な魔物と複雑で狭くて休めない迷路で防衛するのですー♪長くダンジョンで闘って疲れたところで最後はカイさんにお任せしましょー♪」
「ネイさんってバカポイけど考えることえげつないよね?」
「いやー誉められましたー♪お爺様のお手伝いでも素晴らしいえげつなさと最適解って誉められてましたー♪今の女王レイナは政治と商売は私より上手いって誉められてましたー♪」
「・・・この人怖い」
まじで敵に回してはいけない、ヤバいタイプつまりサイコパスだ。
サイコパスは決断力と失わない冷静さで犯罪者よりも医師とか弁護士とか経営者とか理性的を求められる仕事に向いてるそうですね。
感情は気にせずに実利をとった行動が出来るのも特徴です。そのため感情に訴えても理解されないので利益提供し続けないといけませんし、状況によっては裏切のほうが利益になるなら躊躇しません。罪悪感なんて感じないのです。そして感情が分かってるふりしてるから質が悪い。
「味方には最高に優しいしどんなことをしても守る最高の参謀ですよー♪」
「ネイさんは何が大切なんですか?」
サイコパスは他人と心や想いを共有出来ないし、必要としないから、悲しみや怒りをぶつけられても、非常な選択をしても平気だけど、自分にとって価値があるものは死守するし、そのためなら他人と協力もする。
つまりサイコパスには最高の利益を与える限り味方なのだ。
ちなみに人殺しとか、人の不幸が好きなサイコパスは逃げましょう。サイコパスに心を許せば全て奪い尽くされ捨てられるので気を付けましょう。
なにしろサイコパスは心というか感情の構造から違うというか、感情がないというか、損得が行動原理ですからね。
「大切なことは、毎食たくさんの美味しい食事をお腹いっぱい食べられることですよー♪今日の食事は最高に美味しいかったですー♪」
食欲が一番なのね、ならばダンジョンは最強よ!これは勝てる!!
「たくさんのDPを稼げばスパイスも食材もさらには料理も交換出来るので、DPが黒字なら自由に使えるDPとして支給しましょう」
「スパイスって超高級品で王家でもなかなか使えないですよー♪DPで手に入るとか最高ですー♪♪」
こうしてネイを味方につけたのです。
ネイを裏切らせるにはより良い食事環境を整えるだけで良いのだけど、一国の王家より金を注ぎ込める者なんてそうそういないから安心でしょう。
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