194話 怒ってるもん!!許さないもん!!

 なんかうみにどっと疲れた優姫だよ。

 

 

 海くんから事実上の勝利と、敵は戦争継続を宣言してるって聞いたよ。

 

「ミューニーちゃんに酷いことを、しといてこのくらいじゃ許さないよ」

 

 海くんとネイはなんか勝った感があるというか、これ以上の戦争に反対みたいだけど、私は許さないもん。

 

「許さないと言ってもー♪これ以上の攻撃をしてもー♪得る物がありませんよー♪やりすぎると地上を魔物に占拠されますー♪」

 

「向こうからやってきたから反撃だけだけど?魔物は上のヴィーザ大森林はタランクトが何割か占領したよ」

 

「この戦争中に何をやってるんですか?ー♪」

 

「ん?地上にタランクトを送り込んで森をダンジョン化しながらオークを駆逐中だよ?だから魔物は地上をダンジョン化して支配すれば私はほとんど消耗しないよ。オークは嫌いだから支配しないけどね」

 

 タランクトが激増中だし、ヴィーザ大森林はこのままダンジョン化するかな。大陸で一番強い魔王は滅ぼしたし、どうにかなるよ。

 

「魔王も人間も滅ぼすつもりですか?ー♪」

 

「優姫のことだし、そこまで考えてないだろ」

 

「海くん酷いよ!海くんが戦争してるから大丈夫そうだからね。私に、出来ることやろうかなってちゃんと考えたもん」

 

「戦略レベルで足を引っ張られるのは敵が強いことよりも困るというか、敵よりも使えない味方の方が敗因になりかねないぞ。まぁあえて負けない限り負けることは、もうないとは思うけどな」

 

 あう、海くんに怒られちゃった。しかも海くんがかなりの長文だよ!?

 

「ごめんなさい。でも私は怒ってるもん!!彼奴等にごめんなさい言わせるの!!負けないの!!」

 

 ものすごく珍しく海くんが、考えてる。即決即断な海くんからはありえない姿だよ。

 

「負けないのは籠城戦の前に突破すらさせないから、クリアしてる。問題はどうやって敗北を認めさせて謝罪させるかだな。すでにズタボロになるほどインフラも軍も破壊した。本来なら敗戦だ。これは絨毯爆撃しても降伏しないだろうな」

 

「ん?日本も空爆されて負けを認めて無かったけ?」

 

「数十万人を消し飛ばす核兵器を使われてなお戦争継続なんて出来るわけないだろ?他の国も完全に包囲殲滅されたり、国土を征服されたりだからなぁ」

 

「そうじゃなかったらどうなるの?」

 

「政治的に話し合いでー♪解決ですー♪そこで賠償なりー♪謝罪なりふんだくりますー♪戦争は外交の手段なのですー♪ユウキ様の世界は恐ろし過ぎですー♪数十万人も消し飛んだら国が何個無くなるのですか?ー♪」

 

「国の人口が多くてさ。2都市の大半なだけだよ。それよりも話し合いとかやだ。私はミュウニーちゃんのために向こうから謝らさせるの!!」

 

「もう政治中枢と軍隊そのものを破壊して征服するしかないか?宗教相手だし住人も殲滅戦か?そんな破壊した土地を支配しても負債しかなさそうだけどな」


 海くんは後のことも考えてくれてるね。でも怒ってるの!!

 

「じゃあ、ぶっ壊して放置しようよ。ミュウニーちゃんもそんな目にあってたし、いいよね?」

 

「それでいいなら、このまま全てを破壊制圧するしかないな」

 

 海くんはこのまま戦争継続してくれるみたいだね。やっぱり頼もしいしカッコイイね。

 

「私怨で戦争するとー♪国力を無駄に消耗してー♪あれれー♪シバル王国はまだ一戦も交えてませんー♪これは戦争なのでしょうか?ー♪」

 

「シバル王国は戦争してるよ!だってDPの提供が増えたしね」

 

「それはー♪戦争に参加してないと思いますー♪ダンジョンに国ごと護って貰えると思えばー♪無いに等しい経費ですー♪なら内政ターンですー♪ここに逃げてきても信心が捨てられなくてー♪トラブルがいろいろありますしー♪早くカイ様の宗教を広めましょうー♪」

 

 宗教教で思い出した!!役職とか全部なしにしてもらわなきゃ。

 

「海くん、うみがいろいろ言ってたけど、私って宗教とかで政治とかで役職やりたくないけどいいよね?ダンジョンマスターで十分だしさ」

 

「優姫がやりたいようにやればいいさ。どうせ役職とかあってもなくても大差ないしな」

 

「嬉しいんだけど、私って仕事が出来ないってことなの?」

 

「優姫が決めたらそう決まるし、役職とかあっても無くても意味ないだろ?」

 

 そんな事を言いながら、何故か海くんは遠慮なく、私の頭にコインを積む。

 

「うがー!!言動とやってることの意味が分からないよ!!なんで唐突にコインを積むの!?」

 

「戦利品の金貨を何枚くらい優姫の頭に置けるか気になっただけだか?こら、崩れたじゃないか」

 

 海くんは無駄に反射神経を駆使して、金貨を一枚も落とさずにキャッチすると、私の頭を動かないようにホールドする。

 

「はなせー!!さっき私が一番偉い的なこと言ったよね??おかしくない??あっネイ逃げるなー!!」

 

「本当に優姫は可愛くて面白いな」

 

「仕事がたくさんあるのですー♪」

 

 あ〜、これは海くんがお外に出掛けてたから、遊び足りてないやつだ。気が済むまで遊ばれるじゃん。

 

「負けないもん!!略奪品の使い方おかしいからね!!女は突貫あるのみ!!うりゃ~!!」

 

 自由な手を使い暴れて頭の上の金貨を崩そうとするけど、海くんのホールドから抜けられないし、金貨を積みながら私の手のガードまでされてる。

 

「ほら、もうちょいで崩せるぞ」

 

「その紙一重は無限に遠いやつじゃー!!積みすぎて重いから!!そんなに何処に持ってたの??」

 

「ん?とりあえず食料の減った分そこのバックに詰めて持って帰ったな」

 

「多すぎ!!そんなに私の頭に置けないからね!!頭がへこむって、やーめーろー!!」

 

 暴れてたら頭上の金貨に手が触れたけどさ、金貨の自重が強すぎて崩れない。

 

「海くん!?能力の使い方で、ここまで無駄に無駄を重ねる方が難しいって!!」

 

「まだまだ置けるな。早くしないと崩せなくなるぞ」

 

「負けないもん!!女は突貫よー!!」

 

 この後、大量の金貨を崩す事には成功したけど金貨に埋もれた私を海くんが見ながら爆笑したよ。

 

「うがーー!!海くんも金貨に埋めてやる」


 もちろん海くんは埋まるとこはなく、私が疲れて動けなくなるまで海くん、に遊ばれたのでした。

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