193話 新興宗教って怪しくない?

 蜘蛛って強いなぁとか、蜘蛛が増えすぎてない?オークの森が蜘蛛の森になりそう!?蜘蛛はダンジョンの支配下にしてるからまぁいいや、戦争も海くん達が相談してるし、大丈夫って思ってる、そんな感じの優姫だよ。

 

 

「優姫様、海様を神にするための教えは纏まりました。しかし宗教ですから名前を考えなければなりません」

 

 スライムのうみが、報告と相談に来たようです。

 

「まずは、その教えから確認しようかな?」

 

「やはり内容がもっとも大切と分かっておられる。海様の事を考えてまとめました。では参ります。

 ・楽しく幸福に生きるための努力を諦めることなかれ

 ・自分の人生先ずは自分が一番楽しめ

 ・思いやりと優しさが幸せの源なり

 ・強さとは全てを守り抜くことだ

 ・探求心と向上心を常に持つべし

 ・力とは優れた心と知能が使うと忘れるな

 ・情報を集めて準備を万全に整えよ

 ・揺らがぬ心で自らの欲に負けぬこと

 ・常に心に自信と余裕を持っておけ

 ・海様が最高の法にして支配者であり神聖にして不可侵な崇め奉るべき至高の現人神である

 どうでしょう?」

 

「なんか海くんぽいような・・・そうでもないような?でもいい事言ってるし悪くないと思うけど、最後の1つで怪しさ抜群じゃない?」

 

「むしろ最後の一文さえあれば他は、適当でも良いと思いますが・・・ハッ海様を崇め奉ることは至極当然な事わざわざ書き記すことではないのでしょうか?」

 

「あー、そうじゃなくてなんと言うか。海くんが神様扱いなのになれなくてさ。それに宗教って作ると途端に怪しくない??」

 

「海様は優姫様のお義父様でもあり夫でもありますから、そのような感覚になるのでしょう。それはとても奇妙な気分だと思います。ですが優姫様は何も気にしないで、今まで通りで良いと思います。宗教を作るのでありません。海様の素晴らしさを伝えているのです。そして今の神とは一線を画す素晴らしき存続なのですから、崇め奉るのは仕方ありません」

 

「完全なる新興宗教と熱心すぎる信者というか狂信者なのかな?うみと分かり合える気がしないのだけど?」

 

「申し訳ない。優姫様は海様の義娘にして、正妻なのです。まさに神聖にして不可侵な神に準じる存在でした。そこに気が付かず我々一般人と同列に語る方が間違っておりました」

 

「おーい!私まで神様にしないで!!なんか会話してるけど会話になってなくない?ミレーナも会話にならないけど、うみも違う方向で酷いよ?」

 

「そこは自分の不足の極みにございます。優姫様とも意思疎通を、より円滑に出来るように理解を深め、分かりやすい會話を今後は努めますので、ご容赦下さい」

 

「なんかだんだん悪化してるよね?とりあえず私は神になんかならないからね」

 

「しかしながら、海様のお立場を考えると、優姫様の地位を決める必要は、あるかと存じ上げます」

 

「えー、ダンジョンマスターだけで十分なんだけどなぁ。どうしても何がいるなら海くんに決めてもらうよ」

 

「確かに海様にお決めいただくのが良いとは思いますが、海様は面倒事は嫌うのではないでしょうか?」

 

「んー、嫌なら海くんはやらないし、怒らないから気にしなくていいんじゃない?」

 

「そこまで海様に好き放題頼めるのも、望みを叶えでもらえるのも優姫様だけでしょう。海様は優姫様に激甘で特別扱いなのです」

 

「海くんは優しいとは思うけど、そんなに私だけ激甘で特別なのかなぁ?」

 

「そうですよ。しかしよくよく考えれば海様になんでも頼む事が出来て、願いを叶えてもらえる上に、自由に動かせる優姫様が、最高神なのではないでしょうか?」

 

「げっ、だから神様になんかならないからね!!私はダンジョンマスターで満足だし責任とかやだもん」

 

「世界や富に興味がないのですか?欲しい物くらいありますでしょう?」

 

「なに言ってるの?この世界なんて滅んでもどうなっても関係無いし、どうでもいいの。お金なんてなくてもDPでどうにでもなるし、海くんは強いし、イケメンだし、うーん後は胸のサイズくらいだけど、大きくなる予定だし十分だよ」

 

「無欲と褒めるべきなのでしょうか?それともすでに手に入れている事に驚くべきなのでしょうか?後は胸のサイズだけは無可能かと存じ上げます」

 

「もしかしてうみって私に喧嘩を売ってる?」

 

「いえいえ、海様のみを考えていたと反省しております。海様はサイズなど気にしておりませんから、大丈夫だと申し上げます」

 

「だめだこりゃ。会話にならないね。もう教えとか教義はそのままで良いから、海くんに伝えて判断してもらえば良いよ。宗教の名前は真霧教でいいんじゃない?」


 海くんにうみごと丸投げしよう。なんとかなるでしょ。

 

「優姫様に確認していただき、お墨付きだとお伝えしてもよろしいのですか?」

 

「それで大丈夫じゃないかな?海くんもあんまり神になるとか興味なさげだしね」

 

「ありがとうございます。それでは海様に確認をしてまいります」

 

 海くんに聞きに行くうみを見送ったのでした。うーん私の周りには普通の人はなんでいないのかなぁ?

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