7章 それは焦土作戦ではない

104話 心配してるんだよ

 おはようございます。優姫だよ。



 エルフが移住してきたおかげで、DP収入が日に日に増えて、貯まったらエルフの居住用の土地の拡大をしています。


 そんな大切な仕事をちょちょいっと終わらせます。ダンジョンメニューはバグることはないけど手順とかいろいろ変えると出来ないとが出来たり、出来ることが出来なくなったりとシステムがゆるゆるなんですよね。


 抜け道を見つければ好き放題できるのです。


「またエルフがビビッてるけどそれはどうでもいいや。そのうち慣れるでしょ。それよりも、あっいたいた。海くん!!海くん!!ゲーヘルにやられた腕とか脇腹とか大丈夫?後遺症とかない?無理してない?」


「ん?特に違和感も痛みもないな」


「じーー、海くんはあんな大怪我なのに痛そうにしてなかったから心配だよ?パパが居なくなったら嫌だよ」


「そりゃ絶対死ねないな。本当に大丈夫だから心配するなよ」


 海くんは私を抱き上げてソファーに座ると私は海くんの太ももの上に座って居ます。


 こういう何気ない動作とかの滑らかさは凄いなーカッコいいなーと惚れ惚れしてしまいます。才能の無駄遣いだとも思うけどね。


 惚れ惚れしてると海くんが優しく頭を撫でてくれます。


「えへへ、ずっと一緒だよ?」


「当たり前だろ?そう簡単にはここまで敵を通さないし負けないさ。今ならゲーヘルは狙撃して瞬殺、無傷で勝てるな」


「そういえば昨日エレンティアが海くんに狙撃されて、強さと優しさが凄い!!カッコいい!!とか言ってたね」


 完全に落ちてたよ。前世が男だし女の子大好きだから大丈夫と思ったんだけどなー。あれはベッドに誘ったらそのままやれるね。


「優姫も体験してみるか?優姫の頭にバナナ1本置いて、撃ち抜いて見せるぞ」


「何でリンゴより微妙に難易度が上がってるの!?」


「優姫だし、1,000メートルくらいで安全性を重視するから大丈夫だ。エレンティアとかサイオンなら2,000メートルで頭に立てたコインだな。ダンジョン内は突風とか吹かないしたぶんコインも大丈夫だ」


「それならバナナなら、や・・・や・・・やだよ怖いじゃん。後ろで海くんが狙撃してるの見てるだけで十分だよ。とにかく私はもうそういうのは、足りてるから大丈夫なの」


「ならエレンティアに頭コインやってもらおう」


「ん?エレンティアなら・・・やっぱ良くないよ。普通の的で十分だって」


 海くんは本気でやりかねないし成功させると思うけど、銃でやることじゃないよね。


「2,000メートルの地下内って楽勝だしつまらないじゃん。屋外で4,000メートル超えてくると難易度上がって来るけどな」


 ※4,000メートルは有効射程外(照準して射撃して命中させられて射撃効果を発揮できる最大の距離より遠い)です。空気抵抗などで速度は低下するため、あまりに遠すぎると破壊力が下がります。ただし威力低下よりも火薬の状態、望遠しても大気の揺らぎなどの影響により命中は非常に難しいです。


「4キロメートル先に当たるとか・・・ん?歩いてざっくり1時間くらいだったはず、海くんってやっぱり異常だよね?」


「さすがに屋外の4,000メートル頭コインは銃の性能的に外すかもだが、頭は外さないな」


 コインに比べたら頭の方が大きいから当てやすそうだけど、それよりも敵からは反撃出来ないよね?弓とか魔法ってそんなには飛ばないよね?


「やっぱり海くんは最強だね。それよりも海くんはこれからも大怪我して、無理したらダメなんだからね」


「わかったわかった」


 繰り返しは聞き流してるってことだよね!?そしてなぜにいきなり抱き締めるのよ。


「ちょっと海くん力強い!痛いって!締めすぎ!胴が絞まってる!?」


 私の腕もろともぎゅっと絞められてる!?


「ほら今回は腕に問題ないと行動で示してるからな。これからも無理はしないって」


「うが~!女は突貫あるのみ!!外れろー!!」


 確かによほど後遺症が残ってないと私の力では海くんの腕はびくともしないけど、いつもいつも負けてられないのだよ。


「優姫はかわいいなぁー。もうちょいだ。がんばれー」


「うりゃー!!海くん!!もうちょいって嘘でしょ!?」


 全身全霊を尽くしても海くんは余裕そうだぞ!というか大人の軍人さんに女の子が勝てるわけないじゃん。


「たぶんもうちょいって言っただろ?ほらほら、がんばれー」


「絶対たぶんなんて言ってないでしょ!!騙されないからね!!うが~!ふぬー!!はぁはぁ」


「もう終わりか?」


「負けないもん!うぬぬぬ!あれれ?腕も抜けない!?」


「仕方ないサービスだぞ」


「キャハハハ、そこはハンディだって!?なんで擽ってるのに抜けられないのキャハハハ、サービス反対!ハンディよこせ!キャハハハ」


「十分手加減してるから大丈夫だって」


「手加減してるのは知ってるけど、キャハハハキャハハハキャハハハ、ええい抜けれないなら意味ない手加減なの~!!キャハハハイヒヒヒキャハハハ、死ぬ酸欠で死ぬ~!」


「たぶんくすぐられてしぬことはないからだいじょうぶだって」


 なんでわざわざひらがな使うの!?


「不安になる言い方なんですけど!?キャハハハ本気で大丈夫なの!?キャハハハイヒヒヒキャハハハ」


「くすぐられてしんだやつはたぶんいないって」


「キャハハハ、何か海くんの発言から知性を感じない!?キャハハハ、ヘルプ、ヘルプミー!?イヒヒヒアヒャヒャヒャ」


「ユウキも楽しそうじゃん、僕も後でしてもらいたいなー」


「サイオン救出してー!キャハハハ」


「もっと遊んで貰いなよ、僕は今のうちに仕事済ませるからね」


「ちょっと~サイオン待ってイヒヒヒアヒャヒャヒャ、腕だけでも抜けろー!キャハハハ」


 もちろん助けなんて来なくて、この後私の体力が尽きてぐったりするまで海くんに遊ばれました。

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