033話 閑話 ラスボスがヤバいダンジョン
情報収集する冒険者 side
「新規のダンジョンが見つかったらしいな」
冒険者ギルドにいた知り合い冒険者に声をかけて、噂レベルでも話を集めないとな。
「ヴィーザ大森林の海岸線だろ」
「そうそう、何か知らないか?」
「ラスボスがヤバいダンジョンってことだな」
「ドラゴンでも出たのか?」
「ドラゴンの方がましだ」
「ドラゴンよりヤバいなんてアンデット系か?あいつら骨じゃないと臭いし戦ったあと臭いが風呂はいっても取れないからな」
「アンデット系なら黒剣団は勝てるだろ?黒剣団が調査に行ったんだ」
「あの狼獣人が中心の6人パーティーだろ?強さならBランクじゃねーか。バランスもいいし余裕で新しいダンジョンならある程度攻略するだろ?ラスボスまでたどり着いたならほぼ攻略出来てるだろ?」
「それがな酷い目にあわされたんだ」
「なんなんだよ?もったいぶらずに教えろよ」
そのときちょうど黒剣団のガムイとモナが冒険者ギルドの個室から出てくる。詳しい報告が終わったのだろう。
聞こえないように小声に会話を変えて続ける。
「あの二人以外は入り口とラスボスしかないのに殺られたらしい」
「それはラスボスヤバイな」
「人間の男でな一対六で軽く捻られたらしい」
「おいおい、Bランクパーティーを軽く捻るってAランクは最低あるのか?Sランクの可能性もなるな」
ラスボスだけが強いならダンジョンとしては価値がないからSランクの冒険者を呼んできて破壊するな。良い仕事場にならないか。
「そこじゃねーよ、強いだけならどうにでもなるだろ?」
「Sランクのパーティーなら余裕だろうな」
「だろ?でもな、俺ならSランクパーティーの一員でも挑みたくないな。やる気がそがれてしまうぜ」
「なんでだ?ダンジョン破壊なんてなかなか出来ない最高峰の実績だろ?」
「お前はこの話を聞いてもそういってられるかな」
「なんだよ?」
「まず仲間を殺されてその後軽く捻られて気絶させられたんだ」
「普通だな」
「気絶してる間に装備を全部奪われたんだ」
「盗賊だな」
更に小声になり話を続けて行く。
「ヤバいのはこの後だ、パンツ一丁になった男は土下座で首にロープ結ばれて、公開プロポーズをさせられたんだ」
「マジか!」
「声がデカイぞ、聞こえるだろ!!さらに成功するまでやらないと目立つところでパンイチで公開すると脅されてるから何度も断られても続けさせされて、ラスボスなんて爆笑してたらしいぞ」
「ヤバイなそれ!まさにラスボスがヤバいダンジョンだな!」
「仲間を殺されて公開プロポーズさせられるんだ、俺は絶対に挑みたくないな」
「ヤバいよな、一番はまだいい。知らなかったからで済むが二番目の挑戦者で万が一負けたら、今度は冒険者ギルドの出張所はあるだろうからな、公開人数も多いとか死ぬより辛いな(笑)」
「だろ?Sランクでも挑みたいか?」
「Sランクでパンツ一丁公開プロポーズとか負けるより経歴にダメージだぜ。挑まねーよ(笑)情報ありがとよ」
こうして情報は冒険者で広がり≪ラスボスがヤバいダンジョン≫と新しいダンジョンは非公式ながら呼ばれるようになりました。
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~冒険者ギルド幹部会議~
幹部の末席である俺はエルフのタンテ メイ幹部会議とはいえ非公式名≪ラスボスヤバいダンジョン≫の王国に販売は決定事項だし、出張所の担当という貧乏クジの押し付け合いだな。
何故か?村もない嵐が来たら危険な場所に出張所に行きたい奴なんていないからだ。
「さてと新ダンジョンについてだが話し合いが出来るダンジョンということは、こちらが望む物を準備して貰える素晴らしいダンジョンということで王国に売ることになる」
ギルドマスターが報告する。
「冒険者ギルドには莫大な利益を産みますから、グランドマスターの地位は目前ですな」
ギルドマスターの取り巻き達はゴマスリをするが、正直グランドマスターは無理だろな。話し合い以外ではダンジョン小さすぎて利益小さいだろう。
「管理業務だが、王国からの文官の派遣は決定された、だが暫くの間は冒険者ギルドのみで入り口付近に出張所の設営と冒険者の送り込みを行うことになった」
ギルドマスターは少し嬉しそうにしながら王国の話し合いの結果を報告する。
「誰を担当にします?私はタンテが良いかと思います」
何にもない海の側で掘っ立て小屋暮らしとか貧乏クジだ嵐が来たら危険すぎるし断る。
「私ではダンジョンの管理という大仕事は出来ませんよ」
「タンテはもっと自信を持つべきだ、王国からは監査のみで冒険者ギルドが管理業務を行う。書類仕事が多いのだから適任だ」
「それはタンテが適任ですな。所でダンジョン名はどうするので?」
これだけで決定だと!?
「砂浜に出張所を建てられないのでは?」
「崖の上の森なら大丈夫でしょう。ラスボスがヤバいダンジョンに決まってるのでは?冒険者は皆そう言ってましたから」
あっさりとほかの幹部に論破されて虫だらけの森に住むことになったのだ。
「面倒だし、担当はタンテ、名前はラスボスがヤバいダンジョンで決定な」
ギルドマスターの鶴の一声で決まってしまいこうして俺は出張所の責任者に決まったのだ。
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