6章 大賢者VSマッドサイエンティスト
075話 平和な戦争
おはよう!ダンジョンで1番偉い優姫ちゃんだよ。
海くんが無事に帰って安心してます。ところで私って人類の味方なんでしょうか?
魔物を洗脳支配してダンジョン奥深くに住み、侵入者を殺すかイジリ倒す、そんなダンジョンの総支配者であるダンジョンマスターなんだよね。
映像越しってのはあるけど屋敷の一つや二つ滅びても気にならないというか、ダンジョンで人が死ぬこと自体が他人事なんですよね。DPに成ったくらいしか思わないのです。
海くんとかキアリーさんとか身内がケガするのも嫌だけど他人ならあらら死んじゃった、殺しちゃったという程度です。
あえて殺したいとか滅ぼしたいとは、思わないけど、どちらかというと私って人類の敵なんじゃないかな?
「海くん!?なにするの!!」
私の思考実験もとい考え事を、海くんにチョップで強制中断させられます。
「ん?手刀」
「チョップじゃなくて手刀なのね。ってそうじゃないよ!?あうっ」
今度はデコピンです。海くんはこの前屋敷を破壊した伯爵が弱くてS気の発散不足、欲求不満かな?いつもと変わらない気もするけどね。
「負けない!戦争じゃー!!女は突貫よ」
負けじと海くんに私の自力で着地なんて出来ないように飛びかかります。ふふふっ回避したら私がケガするかもよ!!
「いつもながらなぜ女は突貫なのか?分からないな」
太ももと前腕でケガしないように挟まれ助けられますが、絶妙に苦しい力加減です。
「ぎょえ!解放しろー!こうなれば玉砕覚悟の突貫よー」
「解放な」
海くんの、脇腹に肘鉄砲を狙いますが床に解放されて肘鉄砲は床に暴発しました。
「ギャーーー痛ったーーー!!腕が痺れる!」
激痛に床を転げ回ってると海くんに抱き上げられます。そのまま海くんはソファーに座ります。私は流れるように海くんの太ももに座らさせられます。
「うー、うー」
海くんは背が高くて私は低いので太ももに座ってもまだ海くんの方が少し目線が高いです。そんな海くんを恨めしげに見上げます。
「本当に優姫はかわいいなぁ」
そして頭をなでなでしてくれます。エヘヘ、たぶんデレッとしてるけど、まだ終戦してないんだからね!!
「うー、痛かったもん、許さないもん」
「あらら、優姫は軽いな」
「えっへん!太ってないもん!」
誉めても、痛かったんだよ。
「ペッタンコだからか?」
「まだ子供だからだよ!これからおっぱい大きくなるからね!エルフだから成長が遅いだけなの!」
エルフの生態は知らないけど、母親はペッタンコだったけど他のエルフは大きかったし大丈夫なのです。
でも戦争継続!おっぱいは譲れないのだ!!
「やっぱり優姫が一番かわいいな」
なでなで&ほっぺたツンツンとは高度なテクニックを使ってきますね。
海くんのこの発言、優姫ちゃんが正妻と扱われているので問題ないが側室に言うと血みどろのあらそいになったりする。
なぜなら正妻は公式な妻である。法的にも確実に保証されている。そして一番なのだ。
側室には慣習での保証はあり、正妻と同じ生活レベルを与えるが正妻の次、ナンバーツーである。そして側室に順位はつけない。みんなナンバーツーなのだ。
きっとハーレム維持のために先人が見つけた知恵なのだ。そして今では貴族の常識なのだ。
これが破られるとハーレムも人間関係も崩壊する。もちろん、そんな事には二人とも気が付いていない。
「えへへ、私が一番かわいい♪って騙されないからね!!女は突貫や!!」
「騙された方がかわいいな」
「騙されてあげようって、そんなに私は安くないもん!!」
美人のネイに、僕っ娘に、グラマーなキアリーさんに勝って私が一番なら騙されても良いけどね、もう少し譲歩させるのだ!くらえ必殺至近距離パンチ!
「なんだと!?今のタイミングで指でパンチ止めるとは強者ぽい!」
私の必要パンチはほっぺたツンツンしてた人差し指に止められます。
「クックックッ本当に優姫は最高だな」
イケメン海くんの笑顔はカッコいいな。しかしおっぱいの戦争はまだまだぁー!殺るのだ、人差し指指なら勝てる全力で押すのだ!勝ったそこで講和なのだ!
「おりゃー!!」
掛け声だけで海くんの指をピクリとも押せず私の腕はフルパワーでプルプルしてる。
「力強くなったなぁ。ほら頑張れ」
赤ちゃんの頃からの付き合いだから、そりゃ赤ちゃんよりは力強くなってるよ!海くん相手だと全く実感しないけどね。
「ハァハァ、勝てないよ、海くん強すぎるよ」
「もう少し大きくなれば、あー背が伸びればワンチャン勝てるかもな」
「なぜ胸を見て言い換える!?大きくなるもん!巨乳になるもん!!チャンスはまだまだあるもん!」
講和も降伏もしない!玉砕上等!総力戦よ!
「期待してる期待してる」
「全く期待してないよね!?例え勝てなくて突貫あるのみ!!」
「本当に優姫は最高だなー」
「キャハハハ!くすぐったい!キャハハ」
私の体力が尽きるまでくすぐられました。これは海くんが変な考え事を止めてくれたのか、気まぐれに遊ばれたのか分からないや。
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