099話 ダンジョンがチート
お疲れ様です。一仕事終わった優姫だよ。
エルフの住みかにブルーベリーの挿し木をたくさんと黒光りカサカサ悪魔とガーデンバードを放ちましたよ。
もちろん全部ダンジョンメニューでちょちょいです。トンネルは街道の入口と王都ローフのそばに開通させました。
なんか王都が遷都してくるらしいのでDP貯めないと行けないのですが、海くんが二度と大怪我しないように武器の配備が優先です。
魔物はゴブリンが進化して増えてたんだけど、最近蜘蛛の魔物が大型に進化して拮抗してます。
ゴブリンと拮抗してるし戦力としては不安なのです。他の魔物はDPがバカ高いわりに弱いのでゴブリン軍団と蜘蛛軍団を育成中(放置)だったりします。
なんと海くんは出血多量による失血で気を失って生死の狭間をさまよってました。なのに1週間たった今日はケロッとしてます。
みんなの許可も出たし大丈夫なんだろうけど、回復早すぎない?
「海くん本当に大丈夫?」
「腕も再生したし、体調も戻ったし平気だ。それよりゲーヘルの武器を見せろよ」
「ダンジョンでの解析とコピー出来るかの確認はしたけど、他は触ってないよ。念のため最下層に専用部屋作って隔離してるよ」
コアルームだとロックが出来ないので人の来ない最下層に武器庫を作りました。
「行ってくる。ついたら通話を頼む」
「分かったよ。それじゃ無理しないでね」
海くんはコアルームから武器庫に向かいます。ラスボス部屋の近くなのですぐ着くので通話開始して話しかけます。
「やっぱり最後の海くんに大怪我させたやつを量産する?」
海くんが先ずは最後の一撃を放った兵器(レールガン)を見てるので声をかけます。
『これは後回しだな。それよりはライフルとマシンガン、出来れば速射砲だな。一撃で壊れる兵器なら破壊力が足りないからな。明らかにガンパウダー(装薬=無煙火薬)使ってたが作れるか?』
「火薬のことかな?DPさえあれば普通にたくさん作れるよ」
海くんは単発の銃(対物ライフル)と連射銃(ガトリングガン)を調べて分解しています。
『メンテナンス性とかデザインとか使いにくいな、やっぱりライフリングないのか。構造は変えないとだめだな』
※ライフリングは銃砲の銃身内に施された螺旋状の溝で弾丸に回転を与え弾道の安定と直進性を高める目的の構造
ライフル(ライフル銃)の語源でライフリングを持たないゲーヘルの銃は滑空銃(砲)と呼ぶべきもの(マスケットは前装式滑腔小銃なので違います)ですが見た目のイメージからライフルを使用しました。お詫びしいたします。
なおライフリングには効果を発揮するため、弾丸と銃身の隙間を減らす必要性があり、弾丸と銃身の寸法の精度が必用で制作難易度(コスト)が上がります。さらに隙間が少なく作成された銃で黒色火薬を使用すると圧力過大により銃が爆発する危険性もあります。また黒色火薬は銃に最適化された無煙火薬に比べて、初速が遅く射程(実用に使える距離で飛距離ではない)が短くなります。
ライフリングを刻んでいない黒色火薬の銃の射程は、30~50メートル(急所は狙えません)程度、軍隊で同時撃ちの数撃ちゃ当たる作戦でも100~150メートル程度となり同時発砲により黒色火薬の白煙で視界を奪われます。
そのためにマスケット銃が槍や剣、弓を完全に駆逐したのではなく、工業生産力と精度が向上しライフルと無煙火薬により完全に過去の武器となりました。
「DPとしっかりしたイメージがあればなんとかなるよ。金属の種類とかしっかり知ってれば変えられるよ」
『ん?構造の詳細な知識とDPがあれば何でも作れるか?』
「見た目は完璧だけど、中身とか、薬品とか、部品は知らないと出来ないよ。DPで代用出来るとそういう形の魔道具?ぽいものになるよ」
『バラバラにしたヤツは再現出来るな、細かい不具合は微調整すれば使えるか、どうすれば良い?』
「ダンジョンメニューのお宝か内装の中から再現を使えばいいよ。現物があればコピー、なければイメージだよ」
海くんって面倒と思うことは私によろしくで済ませてたからダンジョンメニューや機能は詳しくないのです。
『おっ出来たな。基本のアサルトライフルに、狙撃銃は対物ライフルの方が射程が長いし便利か』
なんかドキュメンタリーなんかでよく見る銃と明らかに大型の銃を作ります。
『後はロケットランチャーか無反動砲だが、解体したことないし、弾の仕組みがさっぱりだし、流石に無理か、なら大砲止まりか』
ゲーヘルの発明も推進剤とかミサイルはなかったからね。
「んーミサイルの火を噴く燃料がない?頑張ったらつくれないかな?」
『いや携行兵器よりは大型兵器だな。76ミリ速射砲の図面見たことあるからそっちは頼むかな』
「10年以上前の図面を覚えてるの?」
『忘れないだろ?それにやるならゲーヘルの手回しの連射銃(ガトリングガン)をオート化して速射力の向上だろな』
「マシンガンの方が良くない?」
『マシンガンを頼んだが?携行用はアサルトライフルで十分さ、さてちょっと試し撃ちしてもいいか?』
ゲーヘルの武装をミリ一通りチェックした海くんは、さっき作った武器に興味が写ってるね。
とりあえず弓道の的を準備します。射撃用の的は知らないけど高校の弓道部で見たことあるからね。距離は20メートルくらいかな?
「的を作ったからどうぞ」
『了解』
先ずは海くんが、アサルトライフルを構えて発砲するバババッと連射音がなると的の中心に貫通した穴が一つだけ空く。
あれ?連射しなかったけ?20メートルであんな連射で弾丸が同じ穴を通るの?
海くんはそのまま大きい狙撃用の対物ライフルをかまえます。バンと一発の銃声が今度は鳴ると的の中心が粉砕します。
「・・・すっげー」
威力こそ一部の魔法は勝っているかもですが圧倒的速度が銃にはありました。
『反動も弾道も弾速も想定通りか長距離射撃はサイオンとやるか』
「サイオンって魔法無効のスキル持ちだから銃で武装したら最強なんじゃないかな?」
『アウトレンジ攻撃は基本だぞ。優位なのは間違いない戦術の一つだな』
「なるほど、私も一つ試してもいい?」
『いいぞ』
ゲーヘル最後の切り札を修復するならDPは安くなるのです。
無いものを出す、大きく形を変えるなどするとDPが高くなり、有るものをちょっと変えるなら安いのです。
修復を完了させて魔石の変わりにDPを注ぎます。
「ファイア!!」
ゲーヘルのレールガンは的を粉砕して壁に大穴を開けます。
「思ったより修復と発射ならDPかからないね。壊れ方を考えて上手くすればもっと安く撃てそうだね」
『使い捨てじゃないのか。なら十分な威力だな』
「これでさらに我がマイホームは鉄壁にまた近づいた!これで知らないエルフがいっぱいいても防衛力は安心だね」
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