093話 弾幕
ただいま優姫だよ。
コアルームにエレンティアの個室を作ってます。
「ちょっとゲーヘル殺しに行ってくる」
「任せてるからいいけど、そんなコンビニ気分で行って勝てる?」
「ケガしてる今がチャンスだからな、怪我の治りを考えれば遅くて良いことはないな。サイオン、優姫の護衛を頼んだ」
「分かった。僕頑張るから、早く帰ってきて」
「エレンティアの個室完成ー!私はダンジョンメニューから応援してる。海くん頑張ってね」
「おおーダンジョンの魔法はスゲー研究のやりがいがありそうだね。私もダンジョンメニューとやらから見てもいいかな?」
エレンティアも馴染むの早いなね。というかコアルーム女の子ばっかりだね。なんでこうなるのかな?
「好きにしろよ、じゃまた後でな」
「居候だし、付与魔法くらいするから待ってよ」
海くんはエレンティアに付与魔法をかけてもらい踵を返すと、ひらひらっと手を振ってコアルームからゲーヘルの所に向かいます。
海くんを見送った後ゲーヘルのチェックをします。
「ゲーヘルは武器の手入れ?確認?をしてるね」
いろいろな銃火器ぽいものを出して、見たり少し確認して何かしてしまうのを繰り返しています。
「チラッとみたけど男として最低だな。女の扱いがなってないね」
「エレンティアの話した大賢者もかなり酷いと思うよ」
「私はちゃんとモテてて、みんな喜んでたよ」
「はい、はい、海くんにゲーヘルの様子を送るよ」
「会談してるときから思ってたけどユウキちゃんの図太さは、リモー帝国でも一番になれるんじゃない?」
「サイオン~エレンティアがいじめる~」
「僕もユウキは鋼のメンタルだと思うな、僕はカイが心配で心配で仕方ないよ」
「海くんは最強だよ。絶対に大丈夫!!負けないもん!!」
根拠なんてないけど、負けたら終わりだし心配してもなにも変わらないし、見てるだけなのはもう慣れたよ。
海くんが気にしてのが爆弾の威力と弾の種類でした。
特にショットガンは近距離で危険な銃らしく、警戒しているようでした。
詳しくは教えてくれなかったから分からないけどね。
しばらく雑談していると海くんがゲーヘルの近くで攻撃のタイミングを伺っている。
すぐに海くんは石を投げてゲーヘルの注意を反らして、突撃します。
石に気が付いて構えたゲーヘルの銃口は石に向けられていて海くんに即射撃は出来なくなってる。
それでもゲーヘルは素早くターゲットを海くんに決定するとバン、バン、バン、と射撃します。
『チッ男かよ。女なら後の楽しみもあったのによぉ!!男は死ね!! 』
ゲーヘルは海くんの性別を知ると両手射撃に切り替えます。
倍の弾幕は海くんも避けれないと判断したのか、一度後退して、ダンジョンの曲がり角まで戻ってゲーヘルの死角に入ります。
『死に晒せ!!』
明らかに大火力連射機能搭載の武器を荷物から取り出す。
いわゆるガトリングガンである。モーターなどはないので手動式であるが口径的にはかなりのサイズがあり大砲の一歩手前といえる。それでも1分あたり200発で凄まじい連射能力と言える。
対物ライフルよりも一発当たりの威力と貫通力は下がるが破壊力は弾丸数で上回る。
地球なら重量と反動により手で持って撃つなど不可能だが、この世界ではステータスにより可能に成ったのだ。ゲーヘルは魔道具でステータス少ないながらも得ている。
大量の銃弾がバンバンバンと弾幕になりゲーヘルは攻防一体の状態で海くんを捉えるべく駆け出す。
『ガトリングまであるのか、なら予想より楽しませてくれるかな?』
海くん取り出されたガトリングガンを見て楽しそうにしています。戦闘狂にしてもあれは相手にナイフはやばくない?
「正面から戦わなくて良かった~」
「あの威力は無事では済まないでしょう。その後も考えると逃げが正解でしたね。」
エレンティアとキアリーさんは肝が冷えたみたいです。
「ミサイルとかロケットランチャーとか、火炎放射器とか使いだしたら、地獄に落とされて這い上がったきたハーレム魔王様ぽいなー、魔王様は女の子にはとても優しいけどさ」
「ユウキ様の前世は恐ろしい所だったんですか?ー♪」
「「?前世??(ですか?)」」
キアリーさんとサイオンにはまだ前世を話してないよ。
「海くんが勝ったら詳しく話すけど、平和で武器なんて必要なかったよ。平和過ぎて戦いの物語を求めて創作するくらいに平和だったよ」
「なるほど、なら今はカイ様を信じて待ちましょう。」
そんな話をしている時も角を曲がってきたゲーヘルに対して、海くんは三角飛びの要領で壁とか天井まで足場にしながらガトリングガンの弾幕を避けている。
『ちょこまかと避けやがって、早くミンチになりやがれ!!』
ガトリングガンの連射音とゲーヘルの雄叫びがダンジョンに響いたのだった。
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