第42話 おじさんとJK(29)

 まあ、僕【芋かりんとう】の、この歓喜の台詞はね。いつものことながら絵里ちゃんや怖顔のおじさんには聞こえはしないけれどさ。


 僕【芋かりんとう】の仲間達……。




 そうこの売り場に、丁寧に陳列されている愉快な仲間達。他のお菓子達や珍味にドライフルーツ達には全部聞こえるからね。


「あっ、いいなぁ~。【芋かりんとう】……」


「僕もそんな可愛い娘さんに食されたい。いいな……」


「あっ! 俺も食べられたい! 食べて欲しい。あの可愛いお口で……」


「儂もあの可愛い娘(こ)の可愛い唇チュチュされながら噛み、貪られてみたいものじゃ……」


「ああ、いいな~。【芋かりんとう】……。あの可愛い娘(こ)何で最初に僕の名前を呼び、叫んで、指定をくれなかったのだろうか……」


 などと。


 只今幼い少女……。大変に可愛い絵里ちゃんに『カミカミ』されながら食──。自身の身体を貪られ歓喜の声を漏らしている僕へと、仲間達が、羨望の眼差しで見ながら妬ましく、嫉妬、不満のある台詞を多々漏らしてくるのだよ。



 う~ん、それでも僕【芋かりんとう】は、仲間達の台詞を素知らぬ振りをしながら。


「あああ~、気持ちいい……。お嬢ちゃん、もっと僕の身体を噛んで、かじって、しゃぶしゃぶ、しながら。もっと僕【芋かりんとう】のことを貪ってよ。お願いだから……」と歓喜し続けるのだ。

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