第123話 話しは飛ぶが、齢九二歳の昭和の昔話……。(25)
「おい。お前?」
何処かしら、わからぬ場所を呆然と、懐かしそうな目と瞳で見詰めノスタルジックに浸っている家のおじさんへと、隣の御老体がまた声をかけてきたのだ。
「ん? どうした? おじさん?」
遠い過去──。自身の幼少の頃の思い出を、微笑を浮かべながら思い出しては懐かしそう。ノスタルジックに浸っていた家のおじさんなのだが。隣の御老体から声をかけられ我に返り言葉を返した。
「それにお前? 人攫いに遭うのは、子供だけではないのだぞ……」
「ん? どう言うことだ。おじさん?」
「どう言う事って? 儂等の若い頃は女性だっていなくなったりもしていたのだ。だから男達は子供を守っていればいいと言う訳にはいかん。自分の女を攫われたらいけないから。女が買い物──。商品を見て選んでいる最中でも。自分の女を攫われないようにと、常に真横について守っていたりしたものだ。儂等の若い頃は……。なのに? 今頃の若い男達は直ぐに自分の女を放置して、自分の見たい物、好きな物を見ようと女、子供を放置して移動をするから。イカン! イカンのだ!」と。
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