第121話 話しは飛ぶが、齢九二歳の昭和の昔話……。(23)

「おじさん?」


「何だ?」


「儂も若い頃……と、言っても? 幼少のガキの頃だが。お祭りやショッピングセンター、デパートなどで買い物の最中に親許や婆さん、親戚のオジサンやオバサン達から離れて行動……。ちょろちょろとしていたら。迷子になるから離れるな、も言われ、諫められたが。今のように車やバイク、自転車に当たり、轢かれるから危ない。よりも。『人攫いが出るから』、『人攫いに遭い連れていかれても知らんぞ?』と。普通に台詞と言葉で言われ、諫められていた気がする」と。


 家のおじさんは、隣の御老体へと告げ、説明をするのだ。


「でも、まあ、儂も、家の両親や婆さん、親戚のオジサン、オバサンに注意、叱れる度に、『そんな人でないから』と笑いながら屁理屈を漏らしていたが……」の台詞も付け加えて、家のおじさんは、隣の御老体へと言葉を返したのだ。


「そうか~」、「そうだろう?」


「ああ、確か? と、言うか? おじさんの言う通りで、儂等の子供時代は未だそんな台詞……。今の令和では考えられないような台詞を普通に、と言うか。日常茶飯事で告げ、聞いていたような気がする? それも? 儂自身がいつまで聞いていたか忘れたが、儂等の子供のころは未だ普通に車、バイク、自転車ではなく。【人攫い】と、言う単語、言葉を耳にしていたな……」と。




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る