第25話 おじさんとJK(12)
でもJkのお嬢さまは、見た目容姿の通りで素直に優しく振る舞うことができない娘(こ)なのだ。
そう、ツン・デレという奴……小悪魔さまだからね。素直にはなれないけれど。彼女が幼い頃から知っている僕達の怖顔のおじさんのことがやはり気になるみたいだから。
JKのお嬢さまは、下からチラリと、作業を黙々としている怖顔のおじさんの顔。顔色。身体の様子を凝視──確認をすると。
「(フムフム……。爺の顔色は良いようだから大丈夫そう……。これなら心配をしなくてもよさそう……)」
JKのお嬢さまは、娘や孫娘の如く振る舞いで怖顔のおじさんへとお節介を焼く。
まあ、彼女は、僕達の怖顔のおじさんに対しては、ツン・デレだから。自身の心の中でお節介を焼く。
そう、自身の心の中で独り言を呟くだけだけれど。そんな少女の気持ちがわかれば、僕【芋かりんとう】や【紫芋かりんとう】その他の珍味やドライフルーツ達も嬉しくなるのだ。
だって、先程JKのお嬢さまが、自身の心の中で呟いた通りだよ。
僕達の怖顔のおじさんは、世に言う第二の人生と呼ばれる世代にさしかかっているにも関わらず独り身なのだ。
だから家の中で倒れ、意識を失っても誰もおじさんの急変した状態に気がつく者がいない状態でね。JKのお嬢さまのように僕達の怖顔のおじさんのことを少しでも気にかけ心のよすみにおいてくれている人が一人でもいるとわかれば、僕も正直嬉しくて仕方がないし。
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