第36話 おじさんとJK(23)

「さぁ~、いらっしゃい~!」と高らか、だけではく。


「試食を~。食べてみんさいねぇ~。お兄さんやお姉さん~。……そして、お子さんにも食べさせてあげて~」と。


 幼い頃の絵里ちゃんと両親に僕【芋かりんとう】を差し出しながら誘うのだ。


 それも? おじさんのいつものふくれ面……彼のトレードマークである怖顔の吊り上がった目を必死に【ヘの字】若しくは、垂れ目にするように装い……だけではないか?



 僕達の怖顔のおじさんは、緩やかな表情へと必死に、自身の表情変化──。傍から僕達のおじさんを誰が見ても『キモイ』と、違和感を感じ覚えるような笑みを必死に浮かべながら。


 僕【芋かりんとう】やその他のお菓子、珍味、ドライフルーツ達が、【所狭し】と並ぶ、販売台がある販売ブースから離れた位置で立ち止まっている。幼い頃の絵里ちゃんと両親を自分の売り場までくるようにと誘う。


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