第37話 おじさんとJK(24)
『おぉ~い! おぉ~い!』
『美味しいぞぉ~! 美味しいぞぉ~!』
『ほら~、ほら~』
『きてみろ~! きてみろ~!』
『大変に美味いんだから~』とでも言いたい様子で、幼い頃の絵里ちゃん親子へと食品トングで掴んだ──。僕【芋かりんとう】を向け──手招きをするように幼い頃の絵里ちゃん親子へと必死に笑みを浮かべながら手招き誘うのだ。
う~ん、でもね?
僕【芋かりんとう】が先程も説明をした通りでさ、家の怖顔のおじさんの必死の笑みを浮かべる時の顔は本当に『キモ顔』になる。傍からおじさんの顔を誰が凝視しても『キモイ』『気持ち悪い』『嫌悪感が湧く……』
でッ、最後は『恐ろしい』『不気味だ……』と、誰もが思うおじさんの『キモ顔』だから。あの時の天使は、今のような小悪魔さまではないからね。
幼い絵里ちゃんは、自身の両親の背の後ろに隠れ──。僕達の怖顔のおじさんの必死の笑み──。【キモ顔】に震え怯えるのだよ。
それでも、僕達の怖顔のおじさんは、『さぁ~、どうですか~? 芋けんぴは~、いかがですか~?』と、幼い絵里ちゃんと両親二人へと声をかけ誘う。
と、いうか? 誘うのだが。やはり幼い天使さまは、今の家のおじさんへと無防備な、JK小悪魔さまではないからね。
「ママ、パパ……」と、声を漏らしながら怯えるのだよ。
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