第38話 おじさんとJK(25)

 だから、そんな幼い娘を凝視した絵里ちゃんの両親……。お母さんの方だけれど。

「絵里……」と、心配そうな声色で、自分達の後ろへと隠れ怯えている幼い娘へと声をかける。



 まあ、そんな様子……。




 自分自身の生まれ持った怖顔のためにいくら声をかけ誘い。



 そう、「いらっしゃい~!」「食べていきんさいぃ~!」「試食だけでいいですよ~」と。食品トングで僕【芋かりんとう】を掴んで差し出し、手招きをしようが。僕達のおじさんの怖顔で幼い少女……。




 絵里ちゃんがブルブルと怯えているようだから。


「ここは致し方がない……。諦めよう……。そして、次に声をかけ目が合うお客さまへと購入してもらうようチャレンジをしてみよう。ねえ~、おじさん……」と。


 僕達お菓子や珍味、ドライフルーツ達も思いながら。おじさんには聞こえ──。声は届かないと思うけれど。独り言のように言葉も漏らし。幼い頃の絵里ちゃん達親子の購入を諦めるよう説得をしたのだ。


 まあ、こんな事態になれば当たり前だけれどさ。

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