第52話 おじさんとJK(39)

 僕達の怖顔のおじさんは『怖キモ笑み』を浮かべながら。食品トング掴んだ『何か?』を絵里ちゃんのお父さんへと差し出す──。



 そう、妻、娘達から少し離れた場所──。不満を募らせながら二人のことを待っている絵里ちゃんのお父さんへと、僕達の怖顔のおじさんは、自身の腕を真っ直ぐに伸ばしながら手首を『クイクイ』と、器用に……。




 と、言うよりも?


 リズム良く、自身が掌で握る食品トングを『クイクイ』とリズム良く『ある物』を掴んだ状態で誘う。


「お兄さん……」クイクイ「これならば甘くないから試食をしてみて……」クイクイ「これは~、ビールのあて……」クイクイ「つまみにもなるものだから……」クイクイと。


 僕【芋かりんとう】のように甘い味覚……午後の緑茶や紅茶。大人の苦みのある無糖のコーヒーのお供──。三時のおやつにうってつけである甘味のお菓子の僕【芋かりんとう】ではなくて。

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