第53話 おじさんとJK(40)
他の物──。
そう、夜のディナー、食後の後……。お酒のつまみとして食べたらよさそうな物達の中ら厳選──。
ある物を選び、食品トングで掴んで『クイクイ』とリズム良く──。
そう、銀幕の怪談話に出てきそうな、妖艶な物の怪の猫……。
と、いう感じではないよね、僕達のオジサンは……。只今『怖キモ笑み』を浮かべながら「お兄さんもどうぞ~。試食~。試食をしてみて~」と、一人離れた場所で佇む絵里ちゃんのお父さんを自身の売り場──。
僕【芋かりんとう】達が所狭しと、並ぶ販売台のある位置へと誘っている様子は……。
何度も凝視してみても、妖艶な物の怪の猫にはお世辞でも見えない──。
まあ、良く見えたとしても? 某マンガ猫型ロボットか、招き猫の置物ぐらいにしか見えない……。
でも、僕達のおじさんの容姿を凝視すればわかる通りで、今名前があがった二つの者達みたいに愛想がないから、『あの物達』よりも劣るのだけれどもね。
それでも僕達のおじさんは、自身で出来る限りの愛想をふり撒いて、絵里ちゃんのお父さんを誘うのだよ。
「さぁ~、さぁ~。お兄さんも~。お姉さんや娘さんのように試食をしてみて……。これは~? 甘い物ではなくて~。ビールのあてにもなる美味しいものだから~」と。
絵里ちゃんのお父さんを誘う。
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