第103話 話しは飛ぶが、齢九二歳の昭和の昔話……。(5)
「う~ん、やはりな……」と。
家のおじさんに呟き始める。
でッ、その後は、「今の若い者は……」で。
また先程と一緒のように御老体は、台詞を呟き始め。
「確かにお前さんの言う通りだよ。別に儂が、『今の若い者達は』と、いちいち気にする必要性はない事かもしれん……。でもな? 儂は今の若い者達を凝視していると、どうしても嘆き、呟き始めたくなるのだ……」と。
昭和一桁産まれの御老体は、不満や愚痴を嘆き、呟きたくなるから。家のおじさんに聞け、聞いてくれ。そうすれば、儂の不満や不快感は解消されると思うから、ではないか?
いや、必ず解消されるから、儂の隣──。会話ができる位置にいるお前──。家のおじさが御老体の愚痴と嘆きを聞け、わかったな、と、でも言いたい口調で。また家のおじさんへと話しかかけてくるから。
「あああ、じゃ、おじさん。なんだよ……」と。
家のおじさんは苦笑いをしながらではあるのだが、御老体へと言葉を返し。まあ、少々御老人の愚痴や不満を聞いてやるのは面倒だが。まあ、家のおじさんは、致し方がないと諦めることにして、彼の話を聞いてやることにするのだ。
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