第90話 ふふふ、今度は私かな?(6)

 家のおじさんはお姉様に、優しく『怖笑み』をニヤリと浮かべ丁寧な声音。


「お姉さん。それはね? 【クランベリー】と言う名の果実をドライフルーツにした物で。味の方も甘酸っぱい味がする。大変に美容と健康にいい。美味しいドライフルーツだから。お姉さん、食べてみて」


 と、告げる、だけではない。


「お姉さんみたいな綺麗な女性(ひと)は、もっともっと、お綺麗になるから食べてみて。さぁ~、さぁ~」と。


 絵里ちゃんのお母さんは綺麗だから、更にお綺麗になると、お世辞? 本気? 本心? でおじさんが告げたのかは、私【クランベリー】自身も良くはわからないけれど。『怖笑み』を家のおじさんは、お姉様へと愛想良く見せながら。私【クランベリー】の試食を勧めていくのだ。


 すると、あら不思議だよ?


「ふ~ん、そうなの、おじさん? へぇ~」


 お姉様は先程とはうってかわって、家のおじさんへの対応の様子が全く違う。

 そう、違うのだよ。


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