第187話 僕は超珍しい漢【ウコンパンプ】(52)

「「「「「えぇ、えええ~! 九十二歳~!」」」」」と。


 皆が、この場にいる皆が、一斉に絶叫と驚嘆を吐く。放つ。漏らせば。


 その後はこんな感じなのだ。


「嘘だろう。おじさん?」


「おじさん、うそでしょう?」


「いやぁあああ~。もっと若い筈だ。おじさんは?」


「だって、おじさんの顔の色だって大変に良いしね」


「うん、確かに。確かに良いよ。おじさんの顔色……」


「肌だって艶々しているしね」


「うん、している」


「しているよね」


「ああ、しているわ。おじさんは……」と。


 隣の爺さんの容姿が九十二歳に見えないのだと告げてくる。……だけではないのだ。


「背筋だってピンとしているし。猫背じゃないもんね。おじさんは……。ねぇ~? みんな~?」


「うん、確かに」


「確かにだよね。皆~?」


「うん、オジサンは背筋もシャンとしているし。言葉だってしっかりとした喋りかただし。呼び込みの仕方。声音だって凄い。凄いもんね。おじさんは……」と。

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