第188話 僕は超珍しい漢【ウコンパンプ】(53)

 まあ、こんな感じで、隣の売り場。齢九十二歳の爺さんの周りに集うお客様達は,隣の爺さんの事を褒め称えたのだ。隣の爺さんが、自身の年齢九十二歳よりもはるかに若々しく見えるのだと褒め称える。更にこんな台詞も付け加えながら。


「あああ、確かに、俺達が向こうで歩いていても。おじさんの声が。呼び込みが。向こう側を歩いていた俺達の耳にも聞こえてきたもんね」


「あああ、確かに、お兄さん達の言う通り。言う通りだよ。うちらも向こう側を歩いていて、『お姉さん~! お姉さん~!』と、声がするから。誰が誰を呼んでいるのだろう? と、辺りをキョロキョロしていたら。うちに向かって手招きしながら。『お姉さん~! お姉さん~!』と、おじさんが手招きしながら呼ぶから。うちはここまで歩いてきたもん~」と。


「ああ、たしかに、そうだった。そうだったよ。お兄さんやお姉さん達の言う通り。言う通りだった」と。






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