第157話 僕は超珍しい漢【ウコンパンプ】(22)
隣の爺さんのハーメルの笛吹男の吹く魔法の笛の音のような呼び込みに対して不満がある。募る。出る。
でるから。
『くそ』、
『歯痒い』、
『歯痒いな』と。
でッ、その後は?
『何で?』、
『こんな遠く』、
『遠く離れた場所の』、
『お客様まで……』と。
俺【ウコンパンプ】達から遠く離れた場所──。
反対側の通路の左右にある販売ブースから、こんな不満のある言葉、台詞が多々漏れ聞こえてくる。くるのだよ。俺【ウコンパンプ】達の耳へとね。隣の爺さんのハーメルの笛吹のような、お客様達への呼び込み、手招き──。
そう、遠く離れた自分達の販売ブース、売り場にいるお客様達への呼び込み、手招き、アピールに対して不満がザワザワと騒めきのように、俺【ウコンパンプ】達への耳へと聞こえてくる。
……だけではないのだ。
『あの爺は……』と。
更に向こうの奴等。反対側の通路の左右にある販売ブース、売り場の販売台。天板に並ぶ商品アイテム達から不満、だけではないようだね。
そう、そこで、その場所で、販売ブース、売り場で商い。物品販売をしている店の店主達や売り子の者達も。隣の爺さんのハーメルの笛吹音のような、お客様達への手招きと呼び込みに不満が出る。募るから。商品アイテム達と声を揃えたように、更にワッと騒めき、不満を呟き、漏らし始めるのだ。
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