第141話 僕は超珍しい漢【ウコンパンプ】(6)

 自分へと注目。人の目、視線を己へと変え、注目する。させる為にね。


 そうすれば、さすれば、隣の爺さんから、己の目下、目の前に、所狭しと、並ぶ商品へと、川の流れのように行き交う人達。この道の駅へと出入りするお客様達の目に触れ、足が止まる。


 そう、歩行をする。続ける行為をやめて、隣の爺さんの売り場へと『何?』、『何がある?』、『何を売っている?』、『何を販売しているのだ?』と、思いながら。興味津々に、隣の爺さんの販売ブースへと、お客様達が持つ自分自身の瞳で見て確認をする。


 また確認をするのは、この山の中にある物静かな場所に佇む道の駅の中、店内へと出入りをするお客様達だけではない。家、俺達。そう俺【ウコンパンプ】が並び置かれ、試食も用意している。家の怖い顔のおじさんの販売ブース、売り場で、ワッ、ザワザワと、騒めきながら試食。そう、家の怖い顔のおじさん口から呟かれる。数あるアイテム達の商品説明を試食しながら。


 それも?


『モグモグ』


『フムフム』と。


 自分達の口から音を立て、頷きながら聞いて、訊ねをしていたお客様達も、隣の爺さんの方へと注目。興味津々に見詰めだすのだ。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る