第81話 俺は暗黒神! 竹炭豆様だ!(16)

 そう、パパは、手渡し、手渡しをされるのだ。自身の大事で可愛い天使にね。それもさ、ほとんどと言って良い程強引に、だ。


 となれば?



 絵里のパパは、『いや、いい。いいよ。遠慮をしておくよ。絵里……』と、なる。訳はないか。


「ああ、ありがとう。絵里……。おじさんもすいません……」


 と、呟きながら。俺様【竹炭豆】を自身ん口へと『ポイ』だ!


 そのまま、『ムシャムシャ』、『パクパク』と、食べてしまった。


 だから俺様の身体が少しばかり痛い。パパは俺様と同じ異性だから、天使の絵里のようには快感を得て、堪能することはできないから。俺様は少々痛みに耐え忍んでみせたのだ。



「……ん? 美味い──! 美味いな、これは……」


 まあ、それでも、これだ!


 パパは俺様【竹炭豆】の容姿に不釣り合いなうまさ、味の良さに魅入られ、驚愕、歓喜をあげながら。俺様【竹炭豆】を絶賛する。


「本当に絵里の言う通りだ……。この黒い豆は見かけによらず。マジで美味い」と。


 更に俺様【竹炭豆】の事を絶賛──付け加えながら、自身の両目を大きく開け呟く。


「でしょう? パパ~。本当に、その黒いお豆さん、本当に美味しいでしょう」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る