第184話 僕は超珍しい漢【ウコンパンプ】(49)

 隣の爺さんならば、九十歳の御老体に問われ。御老体よりも年齢が低い。若い。若い者であるのならば。


 こんな言葉を隣の爺さんは、九十歳の御老体にペコペコと、己の頭を何度も下げ低く腰も曲げ丸めながら。己の腕ではゴマを擦り。会釈を何度もしながら。


 隣の爺さんが物品販売をしている商品を、俺【ウコンパンプ】が先程説明をした通りに。


「父ちゃん」、


「兄さん!」、


「儂が作った佃煮だ!」、


「どうだ? 美味いだろう……?」、


「美味い! 美味いだろう?」と。


 九十歳の杖のついた御老体のお客様と。その御老体の御連れさん……。



 その御連れ様達が、九十歳の御老体の息子、娘、御孫様達なのかは、俺【ウコンパンプ】達や、家の怖い顔をしたおじさんにも解らない。理解はできないが。


 九十歳の御老体も含めて、御連れさん達に、


「ほら? 食べ。食べてみー! 食べてみろ? 美味いから! 儂が作った! こしらえた! 佃煮は! ほら? ほら? どうや……? 美味いだろう……?」と。


 隣の爺さんは、いつもの急かすように試食、購入して欲しいと要望を嘆願。

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