第213話 僕は大変に身体に良い。薬膳料理にも使用されるくこの実(9)
「えっ? いや……」(アッ、ハハハ……)と。
「これは、参った。参ったなぁ……」と。
この場にいる。集っているお客さま達から。高笑いを受けながら注目をしている絵里ちゃんのパパは苦笑い。苦笑いを浮かべ。笑って誤魔化し始めるのだ。己の頭に手を当て、照れ恥ずかしそうにしながらね。
まあ、そんな状態の絵里ちゃんのパパに対して、家の怖い顔のおじさんも珍しく笑み……。大変に愛嬌のある顔、顔色でね。
「ママはお兄さんの物。そんなことはお兄さん自身もわかっている。わかっているよね……」、
「だから大丈夫だよ。お嬢ちゃん……。おじちゃんは、お嬢ちゃんのママを盗ったりしないから……」と。
家のおじさんは、最初は絵里ちゃんのパパへと声をかけ、話しかけて終われば。次は幼い頃の絵里ちゃんへと『ニコリ』と、微笑みかけながら説明をしたのだ。
「えっ? 本当に? 本当なの、おじさん?」と。
幼い頃の絵里ちゃんは、本当に可愛く。って、言っても、今も可愛い。麗しい。魅力的だから。まあ、この辺りは、誤解なきようにお願いね。と、説明をしたところで、話しを折ってしまって申し訳ない。
だから次と言う事で、本当に可愛く。嬉しそうに笑みを浮かべながら家の怖い顔のおじさんが。怖い顔ではなく、己の顔を緩ませ、穏やか、優しそうになるぐらいの、天子の笑みを、絵里ちゃんは家に怖い顔のおじさんへと投げかけながら。「うん」と、頷き言葉を返すのだ。
また、その行為、行動が、この場の雰囲気を和ませると言うか? 場や雰囲気を和ませ、温かくなる気持ちへと皆を誘い。変化をさせる。させていくのだよ。幼い絵里ちゃんと家の怖い顔のおじさんとのやりとり、会話、行動がね。
まあ、そんな訳だから。この場! 家の怖い顔のおじさんが使用している販売ブース、売り場に集う。集っているお客さま達、皆が、和やか、穏やか、和気藹々と笑みを浮かべ微笑んでいる。いるのだが。
この場、この和気藹々とした雰囲気を壊す。妨げるように声が……。
そう、こんな感じで放たれる。放つ。聞こえてくるのだ。
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