第40話 おじさんとJK(27)

 まあ、それも、恐る恐るではあるのだが。取り敢えず幼い絵里ちゃんは、僕達のおじさんのことを、幼い自分自身に害する者ではない。


 そうこの時から少女は、僕達の怖顔のおじさんのことを顔は怖いが大変に優しい大人の男性(ひと)と認識をしてくれたみたいなのだ。



 それと幼い頃の絵里ちゃんの両親の方もね。


 だからお母さんの口から穏やかな笑みと声色。


「ほら、絵里、貰っておいで~」と。


 自然と放たれれば、親子の会話が自然と綴られていくのだ。


「うん、ママ~。絵里いってくるね~」


「うん、いってらっしゃい~」とね。


 でッ、その後は。


〈タッ、タタタ……〉と。


 思わず見ている者達が顔を緩ませ、穏やかな気持ち、気分になるような。幼い頃の絵里ちゃんの可愛い駆け足する姿と足音──。またそれに続くように。


「本当にすいません……」と。


 今度は絵里ちゃんのお父さんからの謝罪が……。




 それも大変に申し訳なさそうに、僕達のおじさんへと告げられる。


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