第214話 僕は大変に身体に良い。薬膳料理にも使用されるくこの実(10)
「お~い! お前~?」と、隣のおじさん。ちくわのおじさんがね。家の怖い顔のおじさんへと話しかけてくる。と、いうか、呼ぶから。
家の怖い顔のおじさんは、朝陽、日輪のような笑み。微笑みからね。己の顔を怪訝しい表情。強張った顔をへと変化させながら。
「どうしたん? おじさん?」と、言葉を返し問う。
するとちくわのおじさんも、家の怖い顔のおじさんではないが、彼も怪訝な表情でね。
「どうしたも、こうしたもって? お前が若くて綺麗な姉ちゃんにばかり気を盗られているから。慌てているお客さん達が、儂の方へと商品とお金を持ってきよる。きょるんでぇ、先程からな」と。
隣のおじさん、【ちくわのおじさん】がね。家の怖い顔のおじさんへと、このように説明をしてきたのだ。……だけではない。
「おい! お前?」
「えっ、何? おじさん?」
自分自身の不手際……。先程から僕【クコベリー】も不満を漏らし、嘆いていた通りだ。
家の怖い顔のは、無意識なのか? それとも、意図的に見詰め、魅入られ、酔いしれていたのか知らないが?
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