第61話 おじさんとJK(48)

 と、言うよりも?


 男女問わず夜の大人達が好みそうな物を僕達の怖顔のおじさんは食品トングで摘まんで、只今「ワッ、ハ、ハハハ~」と、苦笑いしながらいる。


 そう、我が家の女性陣二人から諫められて自己反省をしている絵里ちゃんのお父さんへとまた手渡しをおこなう。


「お兄さん~。これを試食。食べてみて、さぁ~」とね。


『ある物』を食品トング越しに手渡しされる。


 それを凝視した絵里ちゃんのお父さんは、驚愕──。驚きを隠せない顔で。


「…………」


 まあ、『ある物』を見詰めながら呆然とするのだ。


 まさに開いた口が塞がらないと言った様子でね。その異物な容姿……。




 と、言うよりも、色合いかな?



 と、思われる物を呆然から、困惑をした表情へと移り変わり、と、言うか?

 切り替えてかな?



 まあ、とにかく絵里ちゃんのお父さんは困惑をした表情で今度は、自身の口を開いて。


「おじさん、これ、食べられるの?」と。


 絵里ちゃんのお父さんは困惑だけではなくて。とうとう動揺、猜疑心のある瞳……。




 そう、怪訝しい表情と声色、物言へと切り替えてね。僕達の怖顔のおじさんへと訊ねるのだよ。


 う~ん、でもさ、僕達の怖顔のおじさんはね。絵里ちゃんのお父さんの問いかけに対してね。



 ……ん? ニヤリと、自身の口の端を吊り上げ不適に笑うのだった。



 ◇◇◇◇◇

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