第62話 見た目容姿が大変に悪い俺だけれど……(1)

「おじさん、これ、食べられるの?」


「……ん? 食べられますよ。それも、大変に美味しい……」


「へぇ~。そうなんだ?」


「はい。だから食べてみて、お兄さん……」


 うぅ~ん、う~んと、声を漏らす。幼い頃の絵里の、若かかりし頃のパパなのだが。うちのおじさんに俺のことを、食品トング越しから手渡しされ──受け取りながら。俺の大変に闇、闇色した漆黒に黒光りをするたいへんに御自慢な容姿に対して、怪訝しい表情をしながら受け取りやがった。


 それも絵里のパパは? 俺をおじさんから受け取ると、直ぐに己の口に運ぶ訳でもなく。自身の指先で摘まんだままの俺の容姿を天空へと掲げ──。



 そう? 最初の最初……。ちょっとした小悪魔仕様のJKへと変貌している絵里の家のおじさんを見かけた時の、小悪魔的な挨拶の話し。その最中のような晴れ晴れとした晴天の朝と変わらぬぐらい。御日様が眩しく見える晴天の中──。


 この俺の素晴らしく美しい漆黒の丸い身体を陽に当て、宝石のように輝かせながら凝視──。


 それも怪訝しい表情……だけではなくて?



 うちのおじさんから絵里のパパは、「お兄さん、これは、見た目は大変に悪いが。ビールや、その他のお酒のあて。大変に身体にも良い美味しい物だから。食べてみて……」と、勧められて。この俺を受け取った迄は良かったのだが。

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