第112話 話しは飛ぶが、齢九二歳の昭和の昔話……。(14)

 まあ、広島生まれ──。世界最初に核兵器。原子爆弾が投下された街……。




 その恐ろしい爆弾が使用されたことが、世界中で批判を受ける訳でも無く。


『日本が悪い国、アジアに対して悪い事をした国だから。落とされて当たり前……』と。


 未だに東アジア内では批判を言われ続け。あの当時の連合軍がおこなった原子爆弾投下が正当化されている街で育った家おじさんだからね。戦時中……。




 第二次世界大戦の最中の話しは余り好きではない。好ましくないのだが。隣の御老体が『今の若い者は』と嘆き、不満を呟き始めたので素知らぬ振りもできない。


 だから家のおじさんは、社交辞令として聞かぬ訳にもいかないから。


 今度は「うん」と、頷きながら言葉を返す。『だから、おじさんは、今の若い人達……。儂も含めて、何が気に入らないのだ。早く次の台詞を言ってくれ。お願いだから』と、言わんばかりの表情で、頷き終えれば。昭和一桁産まれの御老体の方を家のおじさんは見詰めるのだ。


 ついでに私達【クランベリー】や。その他の駄菓子・豆菓子・珍味・ドライフルーツも一緒にね。



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