第65話 見た目容姿が大変に悪い俺だけれど……(4)


 大変にブスと脹れた面と不快感を募らせた表情で、俺は絵里のことを己の目を細めながら見たのだ。


 クソ~、歯痒いな~。この娘(こ)も俺の事を知らないのか? ッて。


 漆黒の闇色──。闇、闇、黒々と、漆黒色に輝く、丸い宝石のような容姿を持つ、俺の事を知らないのは、絵里だけではない。


 絵里のパパやママも俺様が誰なのかを知らないようだから。小さな竹篭に盛られた俺様を、興味津々に指さす。小さくて可愛い指先を、絵里のパパやママも、不快、猜疑心のある目から、興味津々へと移り変わって──。この俺様のワルワルとした暗黒神のような素晴らしい容姿を凝視し始めるのだよ。


 まあ、そんな様子のこの家族……。




 そう、絵里を含め、パパやママへと家のおじさんは、自身の口の端を吊り上げ──。またニヤリだ。不適に微笑をしながら。


「お嬢ちゃんこれはね? 【竹炭豆】と、言う名の豆菓子、なんじゃよ」と。


 絵里の問いかけに対して、最初は不適に微笑を浮かべながら。小さな竹篭に盛られた俺【竹炭豆】をおじさんは、食品トングで摘まんだのだが。


 俺【竹炭豆】をおじさんは食品トングで摘まむと──。


 今度は優しく笑みを浮かべながら、絵里へと説明をした。


 そして絵里へと説明をし終えると。


「はい、お嬢ちゃん、食べてみぃ~」


 と、優しい声音で告げるのだった。



 ◇◇◇◇◇

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