第126話 話しは飛ぶが、齢九二歳の昭和の昔話……。(28)

 それでもね、隣の御老体はシラっとした表情。家のおじさんの諫めに近い問いかけに対してシラっとした表情。これと言って気にした様子。素振りもみせない、どころか?


 家のおじさんと一緒だよ。隣の御老体、彼も? 家のおじさんと一緒で『ニヤリ』と、己の口の端を吊り上げ、苦笑──。


「そうだな、お前の言う通りで。儂が今お前に話した事は少し大袈裟かもしれん……」


 そう、苦笑を浮かべ、漏らしながら、隣の御老体は家のおじさんへと、自分が今話し説明をした事、『大人の女性も攫われる』と、言う事は少々大袈裟。作り話に近いとでも言いたい様子で、隣の御老体は家のおじさんへと告げてきたのだ。


 と、言いたいところではあるのだが。隣の御老体は未だ何かを家のおじさんへと言いたい。告 げたい。物申したいみたいなのだ。


 まあ、こんな感じでね。



 

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