第13話 僕は紫芋かりんとう(7)
だって彼。おじさん……。
そう? 僕達の後ろで仁王の如く立つ、このおじさん。仁王様のようにしかめ面、強張った表情を常にしている少々恐ろしい顔……。
余り商いには向いていない顔の相をしたおじさんではあるのだが。彼のその日の気分次第で、この小さな売り場のどの商品アイテムが売れるかわからないほどの魔法のトークが使用できるおじさん、と、言うか? この小さい販売スペースに並ぶ、お菓子や珍味、ドライフルーツ達の主さまなのだ。
だから【芋かりんとう】自身も、僕【紫芋かりんとう】の彼への会話。説明の中で、おじさんの名前をだしたから。
「だね……」と。
今迄強気の口調と声音を使用──。自画自賛──。
僕【紫芋かりんとう】を侮るような声音でしか会話ができなかった彼。【芋かりんとう】が、僕の話しを素直に聞き。その上、自身の固い身体を縦に軽く振る動作までしたおじさん……。
そんな僕達の主さまである怖い顔のおじさんの話しを僕と。そう彼、【芋かりんとう】……。
「ねぇ~? 芋かりんとう? 二人で話しを進めていくよね?」
「うん、そうだね……。二人で進めていこう……」と。
僕達二人が同調する事ができたから。これから僕【紫芋かりんとう】と、【芋かりんとう】の二人で仲良く肩を並べ、怖い顔のおじさんの第二の人生……。スローな商いと人間関係。そして恋話しの物語を進めていくことにするからね。
◇◇◇◇◇
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