第98話 ふふふ、今度は私かな?(14)
「そりゃ、嘆くは。嘆くはなぁ~」
家のおじさんの問いかけに対して御老体は、苦笑──。苦笑を漏らしながら嘆く。
そんな御老体の様子を凝視した家のおじさんは、彼の様子──。遠目で何かを凝視しながら。と、いうとりも?
御老体の遠い過去を思い出すような。そう、まるで御老体は、走馬灯でも見詰めるような表情で『今頃の若い者は……』と、更に嘆き──。
『イカン!』、『イカン!』、『いかんのう~!』と、『イカン砲』も撃ち続けるから。
家のおじさんは、御老体の嘆きと呟きが気になって仕方がないようだ。
「だから何でおじさんは嘆く? 嘆くのだ? それだと……、と、言うか? おじさん、只嘆いているだけでは、儂にはおじさんが何を言いたいのか、さっぱりわからん。わからんよ」と。
今度は家のおじさんが苦笑いを浮かべ始める。
でッ、苦笑を漏らしながら、再度御老体へと嘆く原因を問う。
そして家のおじさんが再度問えば、御老体は苦笑を続ける行為をやめ、だけではなく。走馬灯を見る、見続けるような遠目をする行為をやめて。家のおじさんへと視線を変えて、己の口を開き始めるのだった。
◇◇◇◇◇
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