第221話 僕は大変に身体に良い。薬膳料理にも使用されるくこの実(17)

 でも、皆も知っての通りで、家の怖い顔のおじさんは堅物、ノリも悪いし。下ネタや恋愛話しが余り好き、好みではないから。


「儂に聞いても知らんけぇ、おじさんがええと思うんならば、ええんじゃないのか?」と。


 直ぐに言葉を返すのだ。こんな感じ、素知らぬ振り。竹輪のおじさんの恋話しや下ネタ話には興味がないと言わんばかりな顔。太々しい顔をしながら話しを流し「いらっしゃいませ~!」だ。家の怖い顔のおじさんはね。


 だから隣のおじさんは、家の怖い顔おじさんが、一番気にしている事、気を遣っているところ。言えば、問えば。家の怖い顔のおじさんが直ぐに顔色を変えることを尋ねてくるのだ。


「お前のところに良くくる、あの可愛い姉ちゃんがいいのか、お前は?」と。


「あぁ、ゆうタイプの姉ちゃんが、お前の好みか?」と。


 彼は、竹輪のおじさんは、苦笑を浮かべ漏らしながら。『ニヤニヤ』と、己の唇の端を吊り上げながら問いかけてくるのだ。


 でも、家の怖い顔のおじさんは、竹輪のおじさんが誰のことを言っているのか、この時点では、未だわかってはいないから。


「誰ねぇ? おじさん?」と。


 相変わらず、怪訝しい表情をしながら問いかける。




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